あの空の向こうに

□01 夢
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 必ず夢が叶ってしまう世界があったとしたら、それは混沌とした世界だろう。 
人々幸せに暮らし、享楽にまみれな世界なのかもしれない。
だが現実というものはそうではなく、大半は挫折と、苦悩にまみれた世界だ。

私も夢があった。親子3人で暮らすというささやかで、人から見たら、ちっぽけで小さな夢かも知れない。
認識表の鎖に私は小さなロケットを付けている。そのロケットの中には家族の、妻とまだ3歳にもならない娘の写真。
もうこの目で見ることは無いのかも知れないが、希望は捨てたく無かった。

ふ、とため息を吐き、自分の居室、上級士官専門の個室を見渡す
ベットとデスクがあるだけの小さな個室。まどの外は砂嵐が吹き荒れている。数日前よりはましなっているがこの中での飛行は大変だろうな。と思う。
 

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