銀魂

□心は傍に
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もう、どのくらいの月日が経ったのだろう。



俺があいつを置いて来て、どのくらいの月日が。



月日は忘れてしまったけど、



心に染み付いて離れないくらい



忘れることの出来ない



別れ際のあいつの顔。



笑ってた。



だけど、



泣いてた。



矛盾しているけど、



ただ純粋なあいつの気持ちが、



そのまま出ていた。



本当は嫌だったんだろ?



傍に居てほしかったんだろ?



生きていてほしかったんだろ?



自分の感情を押さえ込んじまってよぉ、



「行ってらっしゃい」



なんて言うなよ。



少しくらい引き止めてくれてもいいじゃねぇか。



俺だって、



本当は戦争なんて嫌だった。



お前の傍に居たかった。



お前と生きたかった。



俺自信も感情押さえ込んで、



「行ってきます」



なんて言ってしまった。



―――最期かもしれないのに。



お互いどうして素直になれなかったのかな。



どうして言えなかったのかな。



どうしてかな………



……人間ってのは弱い生き物だな。



最期になってしまうかもしれないからこそ、



お互いに、



心配かけないようにして。



最後の最後まで、



お互いに相手を想い続けたんだな。



俺達は不器用だから、



本音なんて言わずに、



ただ相手を想うだけの



弱い人間同士だった。













(身体は離れていても心は一つ)
(いつか絶対帰ってやるから)











Fin


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