銀魂

□マヨに勝るもの
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俺は絶対マヨネーズが好きじゃない女とは合わないと思ってた。


……だけど。


市内巡察でお前に逢ってしまったから。


その考え方は靴下のように裏返させられた。


真撰組鬼の副長土方十四郎に歯向かう奴は…切腹。


お前に逢ったその時そんなご法度も、どうでも良かった。


女ってのは俺を見るなり寄ってくる。


だけど、それは外見上判断。


俺の中身を知ってる奴なんかいなかった。


「なぁ、マヨネーズ好きか?」


寄ってきた女共にこう問うと


「好き好き、凄く好き!だから私と付き合って?」


……どんな交換条件だ。


だけどお前は違かったな。


「なぁ、お前ってマヨネーズ好きか?」


『嫌い』


一瞬斬ってやろうかと思った。


だけど。


俺の瞳を真っ直ぐ見据えて言うものだから。


コイツは外見で判断しない奴なんだなと、不本意ながらも少し感心してしまった自分がいた。


「…そうか。じゃ、何が好きなんだ?」


『貴方が好きです』


…こんな奴、初めてだった。


「…はっ、お前気に入った」


絶対マヨネーズ好きじゃない奴なんか好きになるかと思っていたのに。


真っ直ぐな瞳にやられた。


……初めて知った。












(それが俺を真っ直ぐ見据える瞳だったなんて)
(内面も見てくれる奴を欲していたなんて)














Fin


 

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