銀魂2

□苦しみの先には
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「そーご、しょうらいあたしのこと…およめさんにしてね!」
「あたりまえでさァ。おまえがオレのよめにならなかったら、なんになるんだィ」


そんな約束したの、覚えてる?貴方の記憶の片隅にでもあるのかしら。
私はあれ以来一時も忘れたことはないよ。だって、あれはプロポーズ…じゃないの?


なのに、なのに。
私より大切な存在が出来たってわけ?
なによ、それ。
昔からの女より、最近出会った男について行くっていうの?


「もう、お前の事どうも想っちゃいやせん。
…強いて言うなら、最初からお前なんてどうでもいい存在だったんだよ、一人で勝手に思い上がって馬鹿じゃないのかィ?
…俺は近藤さんについて行く」


嗚呼、総悟!そーご!


…もう、何度呼んでも振り返ってくれなかった。


今私には彼の背中しか見えなくて、背中だけじゃ感情なんて見えなくて、いつも一緒に居たのに、背中だけじゃ何もわからなくて、


…今まで一緒に居た時間は何だったんだろう?
















「…総悟、」
「なんでさァ」
「…いいのか?これで」
「俺が決めた道だ。俺はあんたについて行く」
「、そうか…それならいいんだが…」
「…」
「まだ心残りがあるんじゃないのか?」
「ねェ」
「じゃぁ!
…じゃぁなんで、泣いてんだよ」


―――キツいこと言って傷付けて、俺のこと嫌いになってもらわなきゃ駄目なんだ。


じゃなきゃ、俺は、俺はただ…きっとまたお前に甘えてしまう。


甘えなんか赦されない世界に飛び込もうとしてんのに、駄目だろ。


本当は好きだ、好き、好き、愛してんだよ…っ!


伝えられなくてすまねェ…
苦しいよ、苦しくて苦ェよ。
伝えてェよ、















(総悟…私は忘れないよ、あの言葉)
(あいつを傷付けたこと糧にして、町人を救うんだ)















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