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□並んで歩いた帰り道
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3年の先輩は引退して、新しい年を迎えた1月
部活が終わるころはもう真っ暗で、かなり寒い
桃先輩に邪魔されてだいぶ遅くなってしまった
寒いのが苦手な俺はマフラーをしっかりと巻いて校門を出た
「!! どうしたの?」
「あっ・・・ちょっとね」
校門の側には俺の恋人がいた
帰宅部の彼女には寒いから早く帰っていいと言っておいたのに。
「はぁ・・・アンタなにやってんの?」
「せ、先生に頼まれてて;;」
ため息をつきながら手を取った
ひやり
やっぱり嘘だった。
鼻は真っ赤だし、繋いだ手はビックリするぐらい冷たかった
「一緒に帰るんでしょ?」
そう言うとぱあぁっと笑顔になる
その顔が可愛くってドキッとしたけど、秘密。
冷たい風が吹いても
繋いだその手はあたたかい
並んで歩いた帰り道
(リョーマ君の手、温かいね)
(アンタの手は冷たすぎ)
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