short

□大好きも言えないまま
1ページ/1ページ


※学パロ




ねえ、この涙を止めてくれるのは刹那だけのなのに。
この思いは届かないのかなあ。




放課後の教室は茜色の日差しと、グラウンドから聞こえる声で一杯だった。
あたしの心は、切なさで一杯だった。

年下だって、分かってる。
あたしなんかが釣り合う分けないって、分かってる。
可愛い彼女が居るって、わかってる。



けどね、あの射抜くような赤い瞳も。
ふわふわな黒髪も、
声も、仕草も、雰囲気も。
全部忘れられないんだよ、これが。



もう、独りで泣いてるのはつらいよ。
もう、あたしじゃない誰かに笑いかけてるのはつらいよ。
もう、あたしがどんなに思っていても、振り向いてくれないのはつらいよ。

そして、その気も無いのに優しくされるのはもっとつらいよ。



「っ、どうして?」


こんなとこで独りで呟いてたって、答えが返ってこないのはわかってる。
だけど、言葉にせずにはいられなかった。

胸が、心がいっぱい過ぎてどうしようもないから。






大好きも言えないまま
(泣き続けた放課後)










[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ