short
□大好きも言えないまま
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※学パロ
ねえ、この涙を止めてくれるのは刹那だけのなのに。
この思いは届かないのかなあ。
放課後の教室は茜色の日差しと、グラウンドから聞こえる声で一杯だった。
あたしの心は、切なさで一杯だった。
年下だって、分かってる。
あたしなんかが釣り合う分けないって、分かってる。
可愛い彼女が居るって、わかってる。
けどね、あの射抜くような赤い瞳も。
ふわふわな黒髪も、
声も、仕草も、雰囲気も。
全部忘れられないんだよ、これが。
もう、独りで泣いてるのはつらいよ。
もう、あたしじゃない誰かに笑いかけてるのはつらいよ。
もう、あたしがどんなに思っていても、振り向いてくれないのはつらいよ。
そして、その気も無いのに優しくされるのはもっとつらいよ。
「っ、どうして?」
こんなとこで独りで呟いてたって、答えが返ってこないのはわかってる。
だけど、言葉にせずにはいられなかった。
胸が、心がいっぱい過ぎてどうしようもないから。
大好きも言えないまま
(泣き続けた放課後)
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