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□皐月晴れ
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皐月晴れ、とはよく言うもので。
心地よい春の日差しと、そよ風のお陰で襲ってくる睡魔。
「・・・寝ちゃってるし」
リビングを見ればソファの上で寝息を立てている刹那。
午後1時、昼寝にはもってこいの時間帯。
さらに昨日は寝るのが遅かったからか、ちょっとキッチンで昼食の片付けをしてたらこれ。
「あは、寝顔はちゃんと16歳だ」
あどけない寝顔に“かわいいなぁ”と思いつつも、
本人に言ったら絶対に嫌がられるだろうな、とも思った。
窓から入ってくる風が、日差しの暑さと緩和してちょうど良い。
外では花から若葉になった気が揺れてまるで子守唄みたいだ。
「ふぁっ・・・」
大きな欠伸と共に、あたしにも睡魔が襲ってきたようだ。
もうちょっと、見て、たいのにな・・・
あ、晩ご飯の・・・買出しにも、行かなくちゃ、
今、度はなに、作ろうか、な。
あれこれ考えて必死に抵抗してみるも、どれも落ちてくる目蓋には敵わなかった。
刹那の膝にもたれかかりながら、意識を手放した。
春、皐月晴れの元で見た夢はみんなの笑顔だった。
皐月晴れ
(心地よい陽気に誘われて、)
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