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□サボリ魔と屋上
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※学パロ






「、何聞いてんの?」



現実逃避をするべく(かったるい5限目の数をサボりに)屋上へ来てみると、同志という奴を見かけた。
同じクラスで学校の有名人ことハレルヤだ。
ハレルヤとはいわば悪友で、学校始まって以来の問題児コンビだと職員室では悩みの種らしい。
まあ、ハレルヤは双子の兄のアレルヤに次ぐ学年次席だし。(あの兄弟で似てるのは顔と頭の良さくらいだ)
わたしも学年10位内をちゃっかりキープしているので、先生たちも何も言ってこないのだ。
ハレルヤは3限目からいなかったのだが、多分ここで寝てたな、あいつ。
寝起き、もしくはこれから寝ます、みたいな顔して給水塔に寄りかかり、イヤホンで音楽を聴いてる。


「おー、お前か。つかサボリ?」

「まーね。あんたもでしょ。」


ハレルヤの隣に腰を下ろし、ひょい、とハレルヤの耳からイヤホンを片方奪って自分の耳へ。
おいてめぇ、なんて声が聞こえた気がしたけど、現在私の頭の中に流れているのは知らない洋楽だった。


「これ誰ー?」

「・・・しらね。」

「ふーん」

「・・・・」

「なんて歌ってるの?」

「しらね。多分ラブ&ピースだろ」

「そっか」

「お前、洋楽わかんのかよ?」

「別に。流行ったやつくらい。」

「あっそ。」



特に何を話すわけでもなく、ただ雲だけが流れていった。
片耳から流れていた音楽も既に次のトラックに入っていて、また同じ歌手の人だ。アルバムなのだろうか。



「てかあんた3限目からここで寝てただろ。」

「まーな。だってつまんねぇし。」

「あたしも誘ってよ」

「・・・えー」


なんだそのあからさまに嫌そうな目は。
あたしだってあんなつまんねぇ授業聞くくらいだったら、ハレルヤとサボりたかったし。
3限目はハム先生の英語だからいてもいなくても別に良かった。つか、正直受けたくなかった。
けど次に控えてた授業がさ・・・。時間割変更とかマジやめてほしかった。


「にしてもよくセルゲイ先生の授業サボれるよね。マジそんけーするわ。」

「・・・・・・・・は?」

「・・・・え?」


え、なにこいつ。初めて聞きました、って顔してるけど。
もしかして知らなかったとか?


「昨日言ってたじゃん。明日は4限目化学が国語に変わるって。」

だからみんな嫌だ、って言ってたし。
国語のセルゲイ先生は生徒指導の先生でもあり、とにかく厳しい。
以前ハレルヤとサボったときは、こってり1時間絞られた。
なのでハレルヤがいなかった時クラスが若干ざわついたし、先生のこめかみには青筋が浮きだっていた。


「・・・嘘だろ。」

「マジだし。」


がっくりと項垂れるハレルヤは本当に知らなかったみたいで、心の中で合掌してあげた。
そういえば、言ったときもハレルヤはサボっていた気がする。
自業自得というか、まあぶっちゃけこいつ馬鹿だろ。



「ま、残念でした。頑張れ1時間コース☆」


そう言ったところで丁度よく5限目終了のチャイムが鳴った。
どうする?と聞くと、帰る、の一言。
じゃああたしも帰る、とイヤホンを返し、立ち上がってスカートの砂をはたく。
ハレルヤも立ち上がって、自分のズボンをはたいた。



「この後どっか行く?」

「どっちでもいい」

「じゃあ、カラオケ」

「ん、」


そんなことを言いながら、屋上からの階段を降りていく。
騒がしい教室に鞄を取りに行き、いざ、昇降口へ。
そのまま校門は流石にばれるので、裏門から出て行くのだ。
因みに、門は閉まっているけれどフェンスとの隙間から、誰でも通れるようになっている。この学校のセキュリティーは些か不安だ。



「ね、ハレルヤあれ歌ってよ」

「は?」

「ハマグリぼんばぁ〜♪」

「はい却下」

「えー、ケチくさー」

「うっせ。」






サボリ魔と屋上
(お前あれ歌えよ)
(なに?)
(こーいーしちゃったんだーたぶん♪)
(はい却下)









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