short

□セーラーと学ランと空腹と
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※学パロ





「お腹すいたああああ!」

「叫ぶな、うるさい」


存分に青春を謳歌している今日この頃。
時刻は、部活も終わり午後6時ちょっとすぎ。
堪えきれなくなった空腹感により、通り道の海で叫んでみた。

因みに隣にいる刹那は、幼馴染と言うやつで。
無表情で発言少ないけどいいヤツだったりする。
(ガンダムについては熱く語るけれど)(部屋はガンプラだらけだ)




「だって、お腹すいたんだもーん」

「帰って食べればいいだろう。おばさんが晩ご飯作って待ってる」



茜色がとっても綺麗な夕日を眺めながら、2人で堤防に腰掛ける。

わかってないなぁ、刹那は。
晩ご飯も大事だけど、刹那といる時間のほうがもっと大事なのに。
こういう乙女心には鈍いんだろうな。




「刹那って、鈍すぎー」


何年片思いしてると思ってるんだか。
しかも、年々かっこよくなっている刹那に恋してる女子は増える一方で。
(本人はガンダムに恋、だけど)




「刹那のバーカっ!」

「なっ!」


いい加減気付けよ。
なんて、自分の気持ちも言ってないのにね。
でもなんだか悔しいから、当分言わないけれど。




「じゃ、そろそろ帰ろっか」

お腹も空いたしね、そう言ってまた刹那の自転車の後ろに乗る。
腰に手をまわすたびに男の子の成長期ってやつを思い知らされる。(クラスではまだ小さいけど)




「・・・・・・好きだ、バーカ」



聞こえないくらい小声で、背中に呟いてやった。

返事は返ってこなかったけれど。









セーラーと学ランと空腹と
(刹那ー、)
(・・・なんだ)
(呼んでみただけー)










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