short.

□PAIR RING
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美しくて、高貴で、



そして誰よりも愚かな貴方へ。



「ティエリア」

4年ぶりの貴方は何一つ変わってはいなかった。
否、前よりも柔らかい雰囲気になった気がする。
これも、貴方のおかげなのよね、ロックオン。


4年前のあの日まで私はロックオンの恋人だった。

あれから4年経った今も私は彼を愛している。
だって私を暗闇の中から助け出してくれた唯一の人。
私に愛を教えてくれたもの。

どうして死ななきゃいけないかったの?
なぜロックオンなの?


なんで死んだの?




そうよ、これはティエリアの所為よ。




ティエリアを庇わなければ怪我をすることもなかった。
そうすれば負けることもなかった。
死ななかったのに!

嗚呼、ティエリアがロックオン・・・ニールを殺したのね。



本当は違うって解ってる。そう、頭の中では。

だけど理由が欲しかった。
怒りの矛先が必要だったの。
もちろんサーシェスも憎い。殺してしまいたいほどに。

狂ってる?狂愛?
そうなのかもしれない。



だから私は。



「ティエリア、好きよ」

ティエリアの恋人になった。
私の気持ちも知らないままに、私を愛してくれている。
この、純粋で何よりも愚かなティエリアの恋人に。


私達の薬指に嵌められているお揃いの指輪。

愛しているから?
いいえ、私が心から愛しているのはニールだけ。

この指輪は貴方を監視するためと、貴方は知らない。
一生幸せになんかなれないようにね。







PAIR RING
(枷だと知らずに、)
(愛?いいえ、これは首輪よ)






ティエリア夢・・・に見せかけたロク狂愛夢



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