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□バジリスク〜第一章〜
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…とてつもなく
美しい…



伏せ目がちだが硝子玉のように美しい瞳…透き通るように白い肌…細い顎…すらりとした身体は女性ではかなり背が高いほうでその身を包む古風でドレスのようなツーピース…その背中に垂らされた絹のベールのような白に近い少し碧みがかった髪…


その容姿からして少女は綺麗に装飾された人形のようだった…


軍の人間は、が幼い頃から英才教育を受けてきた者達がほとんどで、ケバい母親か、窶れたメイド そして 厳しい家庭教師位としか女性との接点がなく、皆が
このダンテと呼ばれた少女に好意を寄せていた…

しかもこの美しい少女が、スピリット直属の部下であることからして、彼の性格の問題プラス、より嫌われていた…


そんな熱い眼差しに応えることもなく、淡々と行動を進めて行く彼女は、どことなく冷たそうにも見える…

その場の空気を断ち切るが如くスピリットが話し始める…
「それではー今週の研究結果を報告します。ちゃんと一回で聞き取ってくださいね?何回も話すのダルいからさ」
これから報告するのに起立もせず、机に頬杖をついたまま、スピリットが心底ダルそうに話し始めた。

他の隊員から憎しみに満ちた視線を送られる。


それと同時にスピリットの整った唇の端が少し吊り上がり挑発的な笑みが浮かぶ…

ガタン!!!


『キサマァァアァ!!
もう許せん!!
そこになおれっっ!
その腐り切った根性 叩き治してくれるわッ!!』

がたいのでかい隊員が勢いよく立ち上がり、スピリットに罵声を浴びせた。
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