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□バジリスク〜第一章〜
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……イトレイ大佐?ナイトレイ大佐?
気付くとそこは会議室でもう会議は始まっていた…
―「やっべ!会議始まってるし」
と内心焦りながらも、落ち着いた笑みを返し
「何でしょうか?」
『あっあぁ、いえなんでもございません』
議長らしき初老の男性がぎこちない笑みを返してきた
―『エリートかなんか知らんが調子に乗りおって若造が』―『期待のルーキーだから仕方ないですよ』
―『あんな顔だけの奴に研究急結果まで取られてたまるかよ』
コソコソと批判の声がチラホラ聞こえてくる。
…「あぁ、ウザイ…
ど低能な凡人どもが…」
今はこいつらに合わせるしかないが、俺が追い求めているのはこんなんじゃない…
『…それでは大佐殿、研究の定期報告を…』
議長が「こほん」と咳をして、そう促してきた。
「はい、分かりました。
それでは手元の資料を見てください」
周りの声を全て雑音と判断し、淡々と話す。
周りは、舌打ちをしたり睨んできたりしながらも、手元のPCを覗き込む…
「じゃあダンテ。カーテン閉めて、照明消して来て」
スピリットは、後ろに立っていた少女に軽く振り向きながら話した。
「…はい」
少女は返事だけすると、黒いツーピースと長く美しい絹のような髪を翻し壁に取り付けられた照明機具のコントローラーを操作するべく、彼の後ろから去っていった…
その間に、さっきまであんなに殺気立っていた隊員達の口から悩ましげな吐息が漏れる…
今照明機具を操作するべく歩いてる少女は…