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□バジリスク〜第二章〜
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第二章「研究材料」
「…ん〜。ホントにあの人達ってストレス解消に持ってこいだな」
スピリットが清々しいまでの笑みを浮かべながら会議室から科学研究室までの道程を歩いている。
『…お前本当に性格悪いな…』
隣を歩くダンテがスピリットに聞こえるくらいの声で言う。
その言葉に、にこりと爽やかな笑みを浮かべダンテに手を出す。
「そのPC持ってあげるよ?重いでしょ?」
『…(警戒の眼差し)』
「どしたの?」
『珍しすぎる。頭のネジでも緩んだのか?』
「ちがうよ。女性にそんな重いもの持たせる訳にはいかないでしょ」
スピリットの整った顔に素敵な笑みが浮かぶ。
『う…じゃあ頼む』
ダンテが少し顔をしかめながらPCを渡してくる。
「ん。分かった。素直に言えて偉いね〜」
ダンテの頭をヨシヨシする。
『貴様私をナメているのか?』
上目使いにダンテが睨んでくる。
ダンテの頭から手を離して彼女の腕の中に収められている薄く真っ黒のPCを取り上げる。