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□はば学冬の陣!
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「なんでこうなるんだろう……。」

 雪で防御壁を作りながら、ため息をつく玉緒先輩。


「こっちが聞きたい。手がしもやけにでもなったらどうしてくれるんだ。」

 そして雪玉を丸めながらボヤく聖司先輩。


 ルカとコウが発端とはいえ、最終的に二人を巻き込んだのは私。

 罪悪感と責任感にかられた私は、二人を鼓舞するために二人の手を握って笑いかける。

「やるからには勝ちましょうね!」


 目を丸くして私を見た先輩たちは、困ったように肩をすくめて顔を見合わせた。

「……仕方ないか。」

「……フン。」

 二人の顔が赤い。どうやら先輩たちの闘争心にも火がついたみたい!






 だけど、聖司先輩は幼なじみだからわかるとして、ルカやコウが玉緒先輩まで誘うなんて、ちょっと意外かも。


「僕は図書館に行く予定だったんだけど……」

 聞いてみると、なんだか世の中の全てを悟ったような目をした玉緒先輩が、防御壁を作り終えて長身の身体を伸ばした。

「途中で設楽に捕まってね。」

 ……巻き添えなんだ。




「勿論、俺だってあいつらに付き合うほど暇じゃない。」

 聖司先輩も、なんだか世の中の全てを諦めたような目で、作った雪玉を芸術的に積み上げながら口を開く。

「けど、あいつら……よりによって、俺の母親に取次ぎを頼むなんて姑息な真似を……!」

 幼なじみとかご近所付き合いって大変なんだな……。




「あ、でもルカもコウも、二人に息抜きしてもらおうって気を遣ったとか……」

「「絶対にない。」」

「……そうですね。」

 フォロー失敗。でも、たまにはみんなではしゃぐのも大事だよね!




「だけど、僕を巻き込む必要はないだろう?まったく設楽は……」

「文句を言うな。そのお陰で休日にコイツと会えたんだから、感謝されてもいいくらいだ。」

「……だったら、設楽も桜井兄弟に感謝できるか?」

「………。それとこれとは話が別だ。」


 自分のペースで楽しもうって言ったけど、やっぱやるからには勝ちたいなぁ。












勝ちに行く




守りに入る



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