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□はば学冬の陣!
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「よし。これから作戦会議を始める!」

「ラジャー!」

「ラ、ラジャー!」

 キリッと表情を引き締めた嵐さんの言葉に、ニーナがビシッと手を挙げて応じる。

 ついでになんかやんなきゃいけない気がして、私も片手を挙げて続いた。




「っていうか、作戦会議ってなにするの?」

「先輩たちはおいといてー…。桜井兄弟はさすがに強敵っしょ?

 そこに無計画に突っ込むってのはどうかと思いますよ、メモ子センパイ?」

 首を傾げると、ニーナがたしなめるような言葉で、私の鼻をちょんとつついてくる。

「考えナシに突っ込んだりしないもん!」

 思わず頬を膨らませると、かえって楽しそうな顔したニーナにほっぺまでつつかれた。




 さらにむくれる私をよそに、腕組みした嵐さんは不敵な笑みを浮かべて遠くを見やると

「戦と名がつく以上、負けは許されない……。それが男ってもんだ。」

 やたら男前なセリフを吐いた。非常に楽しそうです。

「そういうもんですか……。」

「そういうもんだ。メモ子、しっかりついてこい!」

 薄々わかってはいたけど、雪合戦といえど遊びでは済まされないらしい。





「まず、問題は相手の出方だな。どう思う?」

「まあ、先輩たちは防御に徹する……何もせずに成り行き見守ってるでしょーね。」

 確かにニーナの読みどおり、先輩たちがまともに勝負しに来るとは思えない。

 頷いて賛同の意を示すと、ニーナが満足そうに瞳を細めた。

「それには俺も同意見だ。よって、とりあえず先輩たちは無視。いいな?」

「了解だ、大佐!」

「はーい。」


 三角形の頂点の位置にそれぞれの陣地がある、正に三つ巴な戦いだ。

 いくら人数が一人多いとは言え、戦力を割いて桜井兄弟に当たるのは良策じゃない。




「次に桜井兄弟の初動についてだが……メモ子、どう思う?」

「え、私?……そうだなぁ。あの二人のことだから、先手必勝!とかって突撃して来そう。」

 今までの付き合いからして、遊びの時には常に全力。常に真剣勝負なルカとコウ。

 コンビネーション……主にコウがルカをフォローすることはバッチリだし。


「それは間違いなさそうっすね。けど、オレらを狙うか先輩たちを狙うかはわかんねーかもー。」

「だな。全力で動けるうちに真っ向勝負を挑んでくるか、体力的に差のある先輩たちを先に潰すか……」

「んん、ルカとコウはケンカとかなら向こう見ずだけど、勝負ごとには打算的だからなぁ……。」

 三人で眉を寄せはしたものの、答えはわからず。


「とりあえず、動きを見ながら二手に分かれて兄弟の旗を取りに行くぞ。

 こっちに攻めて来ても、人数の利を活かせるしな。」

 という嵐さんの作戦に、ニーナと私も頷いた。






「俺とニーナは別に動くけど、おまえはどうする?」












兄と勝負!




弟と勝負!




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