ときめきバグりある!1st trip
□3・今時の子供の金銭感覚はロールプレイングゲームで培われる。
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「うそだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ !!」
はい。りあるです。ただ今住宅街を絶叫しながら走り抜けています。
え?とうとう壊れちゃたのかって?
う〜ん、そうかもしれません。ってかそうだと思います。っつーかその方がいいのかそうじゃない方がいいのか
全くもって区別も判別も付かない次第でゴザイマス!!
だってだってハリーだよ!?ハリーが今さっき目の前にいたんだよ!?
ほんの数時間前まで、テレビの中でツンデレってたあの子がですよ!!
これってほらなんてゆーか、パラレ……いやいやダメよ!決め付けるのはまだ早いわりある!
まだ幻覚っていう選択肢があるじゃないの!
……だからどっちがまだマシなのさぁ!?
「うわぁぁぁぁぁんっ!だからもっとちゃんと休みとらせてくださいってアレだけお願いしてたのにィ!!
これって労災!?労災おりるのっっ!?」
おかしい。おかしいわ。
百歩譲ってここがゲームの世界だとしたら(言っちゃった!!)、このくらいのダッシュなんてことないはずなのに!
なんかくらくらしてきたわ!
呼吸が苦しいわ!
あ……目の前が暗く……なって……
「そして目覚めたら会社の仮眠室!!な〜んだやっぱり夢オチね!って笑い飛ばした後、あ〜なんだそれならせっかくだし全員チェリー食いしてくりゃ良かったね!ってわたしもそんなに経験ないよ!!みたいなっっ!!」
目を覚ましがばっと起き上がり、希望を祈るように唱えてから、周りを見回す。
「………やっぱりそんなわけにはいかないよねぇ。」
あはは、と笑って見るけど、全力疾走した後の喉はカラッカラで、乾いて上ずった声が粘膜を擦り、思わず咳き込んだ。
「ゲホゴホッ」
苦しくて、涙が出る。
喉の奥に広がるちりちりとした鉄の味が、妙にリアルでわたしを追い立てる。
「……マジですかコレ。」
じわりと涙がにじんできて、柔らかな芝生の上にもう一度身体を投げ出す。
「もー……どうなっちゃってるのよぉ………?」
見上げる夜空には星が瞬いている。この広い空の下に、わたしのいた世界はあるのかな……。