Trust Me?

□番外編
3ページ/5ページ

<Trust Me?>
2−4と2−5の間のお話  ※ドリーム非対応・微エロ注意


ヒロインを手なづけようと頑張る瑛のお話です。ギャグ?

2−4.5・手なづける  <瑛視点>







 はね学プリンス 天堂 玲を手なづけるために其の一


 志波風に接してみる。






「天堂。」

「佐伯?なに?」

「・・・ちょっと、いいか。」

「ヤダ。」



 ムカッ

 速攻拒否かよ!

 今の結構似てただろ!?


 なんて

 ・・・ここで怒っちゃダメなんだ。平常心平常心。




「・・・なにか手伝うか?」

 都合よく日直の天道に、志波を真似た仏頂面で尋ねる。

 少し伸び上がるようにして黒板を消していた天堂は俺をチラッと見て、訝しげに目を細める。


「じゃあ購買でパン買って来て。」

 なんでだよ!?

 誰がパシるっつったよ!!

 黒板消すの手伝いおうかって意味だろ、どう考えても!!


 心の中で盛大にツッコミをいれ、ピクピク痙攣し始めた口元をこらえる。




「・・・貸せ。」

 伸び上がる天堂の手から黒板消しを奪うと、天堂が不機嫌そうに顔をゆがめた。

「ちょっと身長高いくらいでエバるな!」

「知るか。」

「むぅ?」

 いつもと違う俺の様子に鼻を鳴らして俺を見上げる。

「・・・ん?」

「ついにキャラチェンジ?」



 ムカッ

 なんだよその勝ち誇ったような表情は!?




「そんなんじゃない!」

 俺はアッサリ志波キャラを捨てた。

 そもそも、ムカついてもだんまりなんて性に合わないんだ。









 其の二



 優しくしてみる。





「なあ、天堂。」

「佐伯?今度は何?」

「えぇと・・・」


 優しく優しく・・・


「あー・・・」


 優しい言葉をかけるんだ、俺!


「・・・・・・。」


 ああ、なにも出てこない。


 優しい言葉って例えば?


 俺はちょっと考え込む。


 例えば・・・若王子先生?




「天堂さん、なんだか元気がないですね。」

「・・・そう?」

「なにか悩んでる。ピンポンですか?」

「・・・なんだろう。通常の三倍(当社比?)ムカついてきた。」

「ヒドイです・・・」

「だぁー!ムカツクっ!」

「ぐふっ!!」

 叫んだ天堂の瞳がぎらりと光ったかと思うと、拳がきらめき俺の腹にクリーンヒットした。



 ・・・若王子先生はダメだ。






 例えば・・・クリス?



「なぁなぁ玲ちゃん。なんか元気ないんちゃう〜?」

「・・・別に?」

「いややわぁ、そんなつれないの〜。ボクと玲ちゃんの仲やんか〜。」

「ああ・・・他人な。」


 キッパリ。


「うぅ・・・ボク傷つくわぁ・・・。

 あ、そうや!今よりもっとイロンナコトしたら、仲よぅなれるんとちゃうかなぁ?」

「え」


 突然の提案に目を丸くする天堂に素早く寄り添い肩に手を回す。


「ぎゅうぅぅ〜・・・ぴったんこ〜。」

「ちょ、ちょっと・・・!!」

 密着した身体の、思った以上に柔らかい感触。

 俺はうっとりと目を細めてあわてる天堂を抱きしめる。

 もがく天堂の抵抗を上手くいなして、耳元にささやいた。

「え?なに?まだアカンの?

 ん〜・・・せやったら今度は・・・」

「や・・・っ なにす・・・」

 耳に感じる吐息に身をよじって俺の顔を睨み付ける天堂の、うっすら涙がにじんだ眦に唇を這わした。

「っ!」

「アカンよ、玲ちゃん。そんな顔されると苛めたくなってまう〜・・・」

「なに言って・・・やぁっ!」






 クリスはゼッタイSだと思うんだよ






「ってナニ想像してんだよ俺は!?」


 叫んで気が付けば天堂はいなくなっていた。

 ・・・なにやってんだ・・・俺。

 心もち熱を帯びたカラダ。



 えぇと・・・

 そうそう、僕、お手洗いに行こうと思ってたんだった。

 ・・・じゃあ、またね?









 其の三
 


 一緒に遊ぶ。




「天堂。」

「・・・佐伯。今度は何?」

「おまえ、今週何コマンド?」

「部活。」

「(俺のSD出れないじゃん!)じゃ、じゃあ今度の日曜、海に行かないか?」

「・・・寒そうだしヤダ。」

「じゃあ臨海公園。タワーだったら暖房効いてるし。」

「・・・ヤダ。」

「じゃ、じゃあ俺の部屋・・・って言っても珊瑚礁だけど。・・・来ないか?」

「絶対ヤダ。」





 ぷちん






「おまえは一体何様だ!!」

「感情普通で場所の好み××なトコばっかり誘われても。」

「なんで俺がオマエを攻略してるみたいな理由つけてんだよ!?

 言っとくけど俺が攻略メインキャラ設定なんだぞ!」

「初代の王子は確かにメインつって憚らない万能タイプだったけど、佐伯はどっちかというとノーマルタイプって感じ・・・」

「なんでだよ!ノーマルにしては出来いいだろ!

 言っとくけど、コレが俺だ的に何かに特化してるヤツより、あなた色に染まりますってヤツの方が主役なんだからな!!」

「ハイハイ主役だ主役。お前が主役な。

 キン肉マンで言ったらキンニクマンな。」

「なんで例えがキン肉マンなんだよ!?嬉しくないよ!!」

「だけどそういう主役に限って、キャラの人気投票では特化型キャラに1位を奪われるのな。」

「どこの少年マンガだよ!?俺はちゃんと1位は守るぞ!!」

「ハイハイ。ニンキモノダネー。」

「なんで一ミリも心がこもってないんだよ!!」



 俺が怒れば怒るほど、天堂は涼しい表情で俺をいなしていく。

 これじゃいつものパターンだ。

 その憎たらしいまでの余裕な態度。




 志波・・・これのどこが小動物なんだよ?

 確かに毛並みはツヤツヤかもしれないけど、撫でた瞬間確実に噛み殺されるタイプのヤツだよコイツは!!






「修行して出直して来い。・・・じゃあな。」




 肩をすくめて遠ざかる天堂の背中に、俺はギリギリと音がするほど奥歯を食いしばる。






 負けてたまるか!


 高々とそびえるプライドに火がともる。


 そうだよ。そもそも最初っから、志波と勝負ってワケじゃなかったんだ。


 俺の敵はあくまでも天堂。


 覚えてろよ、天堂 玲。





 俺は必ずお前を手なづけてやる!!










        


--------------------------------

 要するに

 何が書きたかったのかというと


「キン肉マンでいったらキンニクマン」


 ってセリフ



 想像力をフルに働かせて読んでいただけると助かります。



          08/9/26


terulove
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ