名探偵
□つながる君と
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TVを眺めながら、ふと携帯電話を手にとる。
メールも着信もなし。
わかっていたことなのに、小さくため息をついてしまう。
…そういえば、俺から連絡することはほとんどなかったな…。
いつも平次の方が東京に足を運び、事件についてのメールを送ってくれる。
なんだか無性に声が聞きたい。
あまり慣れない手で番号を押し、耳に当てる。気恥ずかしくて、出て欲しいという気持ちと、でなくてもいい、という気持ちが混在する。
呼び出し音が数回。
やはりでないようだ。
はっと息をつき、耳から話そうとしたとき。
「く〜どう!!ひっさしぶりやな〜!あけましておめでとさん、元気にしとったか〜??工藤から電話やなんて、初めてとちゃうか〜?」
とたんに日だまりみたいに暖かい声が流れ込んでくる。
「えっ…と、あ…」
出ないだろうと切ろうとしていたので、とっさに言葉がでてこない。
「工藤…??どないしたん?何かあったんか…?」
…あ。
急にトーンが落ちる声に胸が高鳴る。
「…服部、げ、元気なのかよ?」
「おう、でもずーっと事件でのぉ、休みがあったもんやないわぁ。」
そう愚痴ったあと、平次はくっくっと笑いだした。
「?どした、服部、なにわらってんだよ。」
「いやな、今俺も工藤に電話かけよとおもっとったんやで。そしたらちょーど!!工藤から電話かかってきたから、なんやおもろなってな〜。やっぱ俺らは以心伝心、相思相愛やなっ!!」
あっけらかんと言う彼に新一は顔が熱くなるのを感じた。