名探偵

□つながる君と
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今年も年があけ、もうかなりたつ。しかし、年末から年明けにかけて、事件はますます増えるものだ。
おかげでせっかくの冬休みものんびり満喫できなかったし、3学期が始まっても、ろくに学校にでられなかった。
もちろん、大阪にいる笑顔の似合う親友にも会えるなんてこともできなかったのだ。

「はぁ〜…」
「大丈夫かね??工藤くん、疲れがたまっているんじゃないのかね?」
心優しい警部殿に声をかけられ、新一はため息をついていたことに気付く。

「すみません警部、大丈夫ですよ、少し考え事をしていたもので…」
「そうかね??いや〜すまんね、年末からずっと工藤くんには世話になっとる。」
目暮警部は帽子を少しつまみながら新一に微笑みかける。ねぎらってくれる優しさがとても温かく感じ、新一はまた先ほどまで考えていた友を思い出した。
…あいつ、どうしてるかな。

新一と同い年で高校生探偵の服部平次は、タフであっけらかんとした気持ちのよい男だった。彼とはしょっちゅう電話やメールで事件のことを語り合い、直接会うこともしばしばだった。
しかし、年末からは事件が重なり、お互いに連絡が取れず、もう少しで1ヶ月が過ぎようとしていた。

警部たちにに自宅まで送ってもらい、少しの夕食を腹にいれ、TVの電源をいれる。
特に見たい番組があるわけでもなかったが、なぜだか今日はしんと静まり返る部屋が心細かった。
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