名探偵

□パートナー
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「なぁ服部ぃ。」

毛利探偵事務所の下、いつもどおりに遊びに来ては事件に巻き込まれる友人にコナンは声をかけた。

「なんや?工藤。」

夏の太陽が映える色黒の肌ときれいな笑顔。一瞬、見惚れてしまいそうになり、コナンは目をそらした。

「今日も遠山さんのお守りもってきてんのか?」

「ん?あぁ、もっとるで。それがどないしたん??」
きょとん、とした目が野球ぼうのしたからのぞく。

「あ、いや、別に…。」
「ちょ、まちや〜。」
蘭たちの後を追おうとしたコナンの肩を慌てて平次がつかむ。
「もしかして、自分、心配してくれとんのか…?」

…は??

「大阪のときみたいに、俺が怪我するおもて、心配してくれとんのやろ??大丈夫や、今度はあないなへませんから。」
彼はにぃっと人懐こい笑顔をこっちに向けて、和葉のお守りをちらとみせてよこした。

チッ、バーロォ…

コナンはさっきより足を速めて歩きだす。平次は「なんや、違うんか??」とかなんとかぼそぼそいいながら、その後を追う。

なんか、なんか…ムカつくんだよな…。あいつ、へらへらしやがって…!!
今に始まったことではないが、いつも肌身離さず持ち歩いてる平次のお守りを目にする度に、もやもやした感情が沸き上がるのを感じていた。

なんだってんだ、別にあいつがなに持とうが俺には関係ねぇのに…。

「工藤〜、どないしたん、難しい顔して。」
「なんでもねぇよ!!」
…ったくイライラする。へらへらしやがって。どうせ誰にでもへらへらしやがるくせによ。
「せやかて、しゃあないやん!!」

…え??
一瞬、心の声が平次に聞こえたのかと思ったが、その関西弁は女性の声だった。

「でも、和葉ちゃんはきっと特別だよ、だから…」
「ちゃうねん、そないなもんやないんや…。平次は誰にもかれにもへらへらって笑うねん。その無防備さが、ウチ心配でたまらんのや。ウチだけにわろうてくれとるんやないんやもん…。」

!?

いつもどおりに平次の愚痴を蘭に相談している和葉。しかしその言葉は、コナンの頭の中を漂っていたもやもやをうまく整理したものだった。
「平次に、ほかの誰にも笑わんといて、なんてただの幼馴染みのあたしが言えるわけないし…」
「ん〜、確かに服部くん、愛想いいから心配かもね…新一ならいっつもぶすってしてるけど、服部くんは色んな人にすぐ好かれて…」
「そうやねん!!いつだれが平次に本気になるんかておもうたら…、いつも気ぃ抜かれへんよ〜。」

ちらとコナンは後ろで緑がこくなり始まった葉を眺めている平次を振りかえる。
和葉の声も彼までは届かないようで、そしてコナンの視線にも気付かないようで。
ふと、平次が帽子を脱いで髪をさわる。

その仕草にコナンの心臓は高い音をたてる。
…な、マジかよ…!

思わずため息をついた彼の背後で、
「なぁ、ほんまどないしたん??」
「ぅ…わっ…!!!」
急に近くで想い人に声をかけられ、大声をあげてしまった。

「どしたのコナンくん??」
蘭が近寄り、和葉が、「コナンくん顔、赤いで??暑さで具合悪いんとちゃう!?平次、コナンくんおぶったり〜や!!」
コナンが、え、とか、いや、とかモゴモゴしてる間に話はどんどん進んでいて、
「ほれボウズ、もーちょいで依頼主んとこやから、そこで休ませてもらおな。」
コナンに背中を向け、平次は乗るように促す。思わず首を横にふると、「遠慮しぃなや〜」
と和葉が勝手にコナンを背中にのせる。

「なぁ、服部ぃ。」
「ん、なに??吐きそうか??」
「バーロ、ちげぇよ。」
平次が、そか〜とちょっと笑った。


多分…。惚れちまったのかな。この笑顔に。

「なぁ、工藤。今日ホテルとまろおもてんけど、空きがなくて予約とれへんかったんや。せやから、今晩は、工藤の部屋おっちゃんと三人でねかして〜や。」

…確か今日の夜はおっちゃんは麻雀のはず…。

「工藤??あかんのか??」

「…いいぜ。そのかわり、寝る前に俺の話きけ。」

「…??ええけど…。今はなせばええやん。」
「いいから。」


今夜、平次はどんな顔をするだろう。きっと顔を赤くするんだろうな。そして最後には、あの笑顔をみたい。俺だけに向けたあの笑顔を。

そんなことを思って、コナンは平次の背中に揺られていった。






★あとがき★
ありがとうございました!!はじめてかいてみました〜。直したりするつもりです。服部が大好きです(^_^)
もっとコナンに思われてくれ!!笑
ありがとうございました。

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