小説

□雨の日の過ごし方
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───…コトンッ

「どうぞ」

髪を拭き、着替えたシロゥの前に置かれたのはホットミルク。
軽く湯気が揺らめいている。

「いただきます」

丁度良い温かさに温められたミルクを一口。
冷えた体にミルクの温かさが伝わる。
ミルクにはハチミツが微量に入っていて程よい甘さが残る。

「おいしい…!」
「それはよかったです」

萩由がにこっと微笑む。
それにつられるようにシロゥも頬を緩める。
と、足元に何か動くものを感じ、シロゥは足元を見る。
そこには、物欲しげにシロゥを見上げるムシクイ達だった。
口をパクパク開いたり閉じたりして、物をねだっている。

「えっ?な、なに?」
「多分コレが欲しいんじゃない?」

そこに現れたのは零時。
翅音と音合わせをしていたのだが、来客に興味津々で翅音を放り出した。
シロゥの隣のイスに座り、手持ち箱に手を置くと、いっせいにムシクイ達は零時にねだる様に集まってきた。

「あはは!だめだよ〜。これはシロゥ君のだもん」

手持ち箱の持ち主はもちろんシロゥで、中身はシロゥの餌のムシ達が入っている。
するとシロゥの足元に寄って集った。

「えっ!?えぇぇ!!??」
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