小説

□雪騎と萩由
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「普通…どんな事言われるか、どう思われてるかもわかんねーし、どう報いても許される事じゃ無いだろ。…ずっと…疑問に思ってた。」
「………。」


一言も発せず、答えになる何かを見つけ出そうとしているみたいだった。


「……すいません…わかりません…」
「…?わからない?」
「…えぇ…。僕にもわからないんです。」


困惑した顔で話すこいつが珍しかった。


「何と言うか……僕は雪騎の親友のままで居たいんだと思う。たとえ…嫌われても。」
「…それが俺への罪滅ぼしか?」
「ちがう!僕はそんなんじゃ……」


こんなにも感情を露にするのを見たのは久しぶりだった。


「僕は…そんなんじゃ…」


言葉が出ず、苦虫を噛み潰したように歯を食いしばっていた。
たぶん、こいつを一番知ってるのは俺だ。
一番こいつの気持ちが解るのも…たぶん俺だけだろう。
だからこそ……



…憎い。



「…解っている。お前が一番辛いってことも、たぶん解ってるつもりだ。」


けど、それだけじゃない。


「それに、妹がお前を好いていた理由も解る。」



妹の気持ちも…

解るような気がする。

だから余計…辛いんだ。


「お前と出会うんじゃなかった。何度も、何百回も思った。お前を知らずに憎めれればどんなに楽だったか。」


知ってるからこそ…

心の底から憎めないんだ…。


  
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