小説

□節分
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「全員集合ー。」

雪騎が皆を集める。

「は〜い」
「うぃ〜」
「集合かかったらキビキビ動く!」
「はいはい」
「何なのよ?まったく。」

各々雪騎の周りに集まる。

「だいたい全員揃ったか。」
「白渡せんせー何すんの〜?」

はぁーいと手を挙げながら零時が質問する。

「良い質問だ、桜井。」

そうだな…っと、辺りを見回し、とある方向を見て睨んだ。

「そこ、今日は何日か答えろ。」
「あ?」

ビシッと指差した方向は、一人隅の方でふかしている誨だった。
不意に当てられた誨はポケットからケータイを取り出す。

「今日?今日ねぇ〜…2月3日?」
「ふん、聞いてるなら良い。」

雪騎は元に戻る。

「2月3日と言えば?そこ。」

前列の琉依(るい)が当たる。

「せ、節分…?」
「そうだ。というわけで、今から鬼を数人決める。」
「「「はぁああーーー?」」」
「異論は認めない。この場の全員出席は決定事項だ。」

腕を組みながら雪騎が告げる。

「え?え、そのために集められたの!?」
「うむ。」
「ちょっと待って、なんであたし達まで!?」
「心配するな。子どもと女は鬼にならなくていい。」
「じゃぁ、僕は良いよね?」

にこっと笑う友くんに雪騎が不敵に笑う。

「友、安心しろお前は参加だ。」
「えぇー!」
「変身解け!」

友と雪騎の言い合いが始まった。

「…なんだかだいぶ大規模だけど…」
「せやなぁ、豆まきなのに鬼ごっこ並みやな!」
「鬼ごっこって…鬼が逃げるから反対だろ。」
「ほんまや!」
「……俺、豆まきしたことないんだけど…」
「うそ!?さすが坊ちゃん!!」
「まぁ、普通考えて来憧(らいど)ん家じゃやらないだろ。」
「のんきに話してる場合じゃないっすよ!?この数で追っかけられるとか恐怖!!」

和気あいあいと学生組。

「なんであたし達がこんなことしなきゃいけないのよ…!」

露葉は渡された豆の入った升を持っていた。
なだめようと伉が言葉をかける。

「まぁまぁ、露葉ちゃんおちついて?」
「…物好きだからな…。」

ボソッと棘がぼやく。

「露葉、あまりそういうな。行事は大人数でやる方がいい。」
「兄っ…」
「そうそう、ま、杜蓮が鬼になったりしてねー!」
「剞曄っ!!!あんたねぇーーー!」

今にも剞曄に豆を投げつけようとする露葉。

「おっと!そこ!まだ投げんなよー?鬼決まってねぇんだから!」

雪騎が友をがっちり引きとめたまま露葉を指差す。
しぶしぶ握りしめた豆を引きもどす露葉。

「じゃぁ、くじ引き開始するぞー。」

年齢の低い方から順番に箱に入った紙を取っていく。
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