君にしか見えない

□忘れられた記憶
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私は知っている。

私はあの日殺された…。



あの日は雨がどしゃ降りで、私は少しでも雨の勢いが引く頃合いを見計らっていた。その瞬間猛ダッシュで帰宅するつもりだった。

場所は私が毎日の様に通う学園。時間は辺りが当に暗くなっていたくらいに経っていた。空は完全に雨雲で覆われていたので特に暗くなるのが早かった。


周りにはとっくに誰も居なくなっていて少し心細い気があった。


私は少し肌寒かったので自分の体を抱くように両腕をさすっていた。


少し雨も勢いが引き始めただろうと察し私は雨の中を駆け抜こうとした刹那、誰かが私の左腕を引っ張る。

私は振り返った。相手は全身に黒い雨具を着込んでいて、顔は雨具のフードに隠れていて分からない。


私は直感した。こいつはヤバイ…。


私は掴まれた腕を振りほどこうともがいた。だが、相手の握力は凄まじいものでビクともしない。

だからと言って諦める事は出来ない。私はがむしゃらにあがいた。


誰も居ない学園。誰も私を助けてくれる人はいない。

自分の力でどうにかするしかないのだ。どうにか、どうにか…。
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