炎の紋章小説

□吸血鬼に魅了される影の者
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スカイリムinFEif

ロリおに(複数)
バベット×スズカゼ(+α)

闇の一党ドヴァキン

正直バベットの一人勝ち。
キャラの説明は後書きにて。

────


「はじめまして皆さん。聞こえし者さんと仲良くしてくれてるのかしら?」

暗殺者の青年と亡霊の暗殺者に連れられてやってきたのは、サクラやツクヨミやニュクスとそう変わらない年頃の少女だった。



スオウ(聞こえし者とは役職名らしい)と挨拶回りをしていた少女が木陰で不釣り合いな分厚い本を読んでいた。そこに音も無く降り立った。

「初めまして。えーと、」

忍の術で隠れていたため挨拶が遅れ、彼女の名前を聞きそびれていた。声をかけたにも関わらず、言葉に詰まってしまった。

「あら、初めまして。私の名前はバベットと言うの。よろしくね。」

彼女は気にした様子もなく、自己紹介をした。

「バベットさんと言うのですね。私はスズカゼと申します。挨拶が遅れ、申し訳ありません。以後お見知りおきを。」

自身の失態も告げながら自己紹介すれば、少女は赤みを帯びた瞳を細め、可憐に笑った。

「ふふ。貴方はとっても礼儀正しいのね。聞こえし者さんのお話だと、サイゾウさんと双子だそうね。さっきおもいきり睨まれちゃったわ。」
「それは、我が兄がすみませんでした。」

暗殺者が連れてきた子供など、サイゾウを含め、忠臣とされる王子等の配下は警戒するのは必然。しかしスズカゼはそれでもカムイが信用する御仁が連れてきたのであれば、表面上の警戒は解く。

「良いのよ。暗殺者に連れられた子供だもの。何かあると疑うのが普通よ。」
「え?」

だが、その子供は己の立場がよく判っていて、それであっても花のように笑った。

「そうね。じゃあ、私の秘密を教えてあげるわ。そうすれば、貴方は私をある程度は信用してくれるのではなくて?」

ひとしきり笑った彼女の言葉に驚いた。信用を得るために自身について教えるのは常だが、秘密など、踏み込むようなことを自分から言い出すのかと驚いた。

「いえ!秘密など無くとも私は貴女を信用しますよ。」
「良いのよ無理しないで。それに、私はある意味ニュクスさんと同じようなものだもの。」

ニュクスと同じようだとすれば、彼女もまた呪いによって身体の成長が妨げられ、永い時を子供として過ごしたのだろう。
そのような少女の抱える深部に触れて良いのか、スズカゼは戸惑うが、バベットは構うことなく紡いだ。


「私ね、吸血鬼なのよ。」

まるで天気の話をするかのように桜色の唇から紡がれた言葉に反応が鈍くなった。

「‥吸血鬼?確か、暗夜の物語に出てくる血を吸う化物とか‥。しかし、バベット殿は普通の人間では?」

サクラ王女がエリーゼ王女と両国の物語を語り合う場面で耳にした暗夜の化物。人を魅了して血を吸い尽くすものだったと記憶している。
しかしどう見てももののけの類いには見えない少女は、不釣り合いな牙を見せながら微笑んだ。

「昔はね。それに化物ではあるけれど、元々は人間なのよ。だから、見た目はただの子供、だけどもう三百年は生きてるわ。」

見た目不相応の落ち着き払ったそれは、確かに成熟した大人の女性であった。

コロコロと鈴を転がすような笑みに、つい、惹かれる。

「ふふ。貴方、凄くいい匂いがするわ。まるで風に香る若草のよう。」

まるで催眠術にかかったかのように動かない体。思考も、まるでただただ目の前の少女のみを意識していた。

そして吸血鬼と言う少女は、一瞬怪しく眼を光らせて、微笑んだ。

周りが静止したように思えた。





「ねえ、貴方の血、ちょうだい?」





ヒュッ!ギンッ!!
「っ!?」


その音に、止まっていた時間が動き出した。

「バベット‥。」
「くっ、貴様っ!」
『間に合ったか。』
「兄さん?」
「あらあら、聞こえし者さんと形なき暗殺者さん、それに、サイゾウさんも。」

間に入った二者と亡霊に驚く。が、まるで気にしないのかバベットは何事もなくニコニコと笑顔でいた。

あまりの速さで分からなかったが、遠くで地面に刺さっているのはサイゾウの手裏剣で、開かれた少女とスズカゼの間に立つ青年の構えは何かを防いだそれだった。

「血が飲みたいなら、俺に言えばいいのに‥。」
「だって、シセロみたいに良い匂いがしたのだもの。勿論聞こえし者さんの血も美味しいわ。でもそれ以上に、美味しそうな匂いがしたから、飲みたくなっちゃったの。」

おおよそ笑顔で紡がれる言葉ではないが、少女は微笑むばかりだ。青年はあまり動かない表情を呆れ顔に変える。

「貴様!やはりもののけか!」
「あら、私はただ食欲を満たしたかっただけ。それに、貴方も、とても美味しそうな匂いをしていてよ?」

亡霊に羽交い締めにされている吠える赤の忍びに覗き込むように近づく少女は好奇心に満ちていたが、何処か妖艶で、サイゾウもただならぬモノに呑まれまいと奥歯を噛み締める。

「・・・な〜んて!ちょっとからかいすぎちゃったわね。ふふ。お腹空いちゃったから、聞こえし者さん。血、貰っても良いかしら?」

パッとサイゾウから離れ、暗殺者の元に行く少女は既に姿不相応の色香等無い、オヤツを求める子供のようだ。だが内容は、純粋な子供ではなかった。

「‥此処で?」
「あら、ここはタムリエルじゃないのだから、外で飲んでも罪に問われないでしょ?」
「はぁ‥良いよ。但し飲みすぎないで。」
「わかっているわ。」

子供の背丈で飲みやすいように座り、赤いケープで隠された首元をさらけ出す暗殺者。そしていただきます、と一言言って、白い首に牙を突き立てた。

「ん‥、」

コクコクと喉を鳴らしながら血を飲む度に、まるで情事のような表情で紅色していく青年に、それを引き出す少女に、スズカゼもサイゾウも身動ぎ出来ない。


それがまるで永遠のような時間が流れた気がした。その間、まるで見てはならぬ様で、二人だけの世界に思えた。

っ‥、
小さく息を飲んだのを、その世界を支配している少女と、既に拘束を解いた亡霊しか聞こえなかった。


「っ‥、バ‥ベット、もう‥ぁっ!」

ジュッっと音が聞こえるほど強く吸われ、漏れる声が悲鳴をあげ、そしてゆっくりと小さな口を首から離し、牙の痕から流れる赤い血を赤く小さな舌で舐めた。
そしてグラリと傾く青年は亡霊に体を支えられた。

「ふう。ご馳走様。相変わらず、とっても美味しいわ。それに、可愛い声ね。」

腹を満たされたのか、軽く腹部をさする。しかしやはり、見目が子供であることが不相応の台詞で微笑む。

「‥それはどうも。」
「あら可愛くない。薬は要るかしら?」
「持ってるから良いよ。‥俺は部屋に戻るが、どうする?」

チラリと見るのは少女と、その後ろで何とも言えない表情の双忍。それを分かって少女はニコリと微笑む。

「私は本をニュクスさんに返しに行ってくるわ。」
「‥はっ!・・・俺は警らに戻るが、妙な真似はするなっ!」

バベットの言葉でようやっと此方に意識を取り戻したサイゾウは、忠告と共に一瞬で姿を消した。

「スズカゼは?」
「あ‥、私も、警らに戻ります。貴方は、介添えは‥、『私がするので心配要らない』‥そう、ですか。」

あまりの衝撃と‥、何かにより、それでも持ち場に戻る事を告げて、崩れる青年を心配すれば、亡霊が青年を横抱きに抱えた。

「じゃあ戻るから、バベット、あまりからかわないで。」

そう言って、亡霊は青年を抱えたまま、宛がわれた部屋に向かった。

「もう、子供扱いしないでほしいわ。ね?」
「え、っと‥、」

同意を求める声に何と言えば分からず口ごもるスズカゼに、やはりニコリと微笑んで向き合った。

「ふふ。からかってごめんなさいね。でも貴方からとても美味しそうな匂いがしたのは本当よ。」
「あ、有り難う‥御座います?」

あまり謝罪してるように感じられないが、彼女からしたら謝罪し、誉めているのだから困惑しかない。

「ふふ、可愛いわ貴方。ねえ、血は吸わないから、しゃがんでくれないかしら?」

可愛らしく小首を傾げながら言われ、困惑しながらも要望通りにしゃがんだ。
すると、首に腕をまわし抱きついてきた。

「ちょっ!バベットさん?!」

驚きのあまりバランスを崩しかけるがすんでのところで持ちこたえる。

「ふふふ、いい匂い。今すぐに、貴方の血を飲みたくなっちゃうわ。」
「そ、それは‥、」
「冗談よ。でも‥、」

スンスンと聞こえるほど匂いを嗅がれてることに気付き尚も困惑するスズカゼに、笑いながら誤魔化す少女は、ふいに空気を変えた。




「飲んで欲しかったら、いつでも来てちょうだい?」




スズカゼの耳元で囁くように紡がれた言葉に、ゾクリとした。

「ふふ、またね。スズカゼさん。」

動けずにいるスズカゼから離れた少女は、花のように笑いながら、不相応な分厚い本を抱えて駆けていった。

残ったのは、小さな吸血鬼を呆然と見送る忍だけ。
彼が少女の元に行くのかは、シシスと亡霊のみぞ知る。


END


**後書き**
なんか、すみませんごめんなさい。
ちょっとスズカゼとバベットを絡ませたかったんです。てかこれ、ロリおに‥でいいのか激しく疑問。初めて書いたので分かんない。あと何でかドヴァキンはともかくサイゾウも出てきちゃった。
スズカゼは公式で色々引っ掻けてくるから吸血鬼も引っ掻けそう。幽霊も引っ掻けてくるスズカゼすげぇ。
てか、これバベスズになってる?激しく疑問。

以前diaryに書いたネタみたいにやったんだが、血、吸われてない。吸われてんのドヴァキンやん。喘いでるけど別に二人がそういう関係ではない。吸血に伴う自然な現象、らしいです。大体の吸血鬼ネタにあるやつ使ってみた。
ちなみにこの後ドヴァキンは亡霊とめちゃくちゃ××した(ルシエン×ドヴァキン)←蛇足

バベットについては“スカイリム”“闇の一党”“吸血鬼”“チョコレート”で検索したらたぶん出ると思う。チョコレートは、食べ物ではない。
仕事の内容↓
「おじさんのチョコレートをあげるよ。」
「ウワァ!大きい!いただきます!」
「ぎゃーー!!」
つまりそういうことです。


バベット×シセロ前提設定です。
シセロについては、“スカイリム”“闇の一党”“道化”で検索すればたぶん出ると思う。我が家小説の“ニルンの空の下〜”にも出てくる奴です。


多分このバベットは男女問わず大体のキャラを喰うと思う。


現実問題、スカイリムの子供ってイモだから見てくれはあれだけど、MOD使って整ってる風でお願いします。確かそんなMODある筈だと思うが、ネット環境下でないためよくわかんない。

とりあえず、バベットはある意味最強だと思う。




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