炎の紋章小説

□刻まれた歯形
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※絆の白夜祭ネタ
エポニーヌとカンナ♀生まれちゃいました。
だってifだし。ただし出てきません。

若干の流血注意。

────

一時喧騒と化した祭りも賊を退治してから主催者側のご厚意で楽しく祭りに参加して過ごした。

「ってもう!これ、ゼロの遺伝でしょ?!」

部屋に戻ると、カムイは痛む箇所を見やり怒りを露にする。

「そうか?あんたも、結構噛みついてくるだろ?まだ、昨日の痕が残ってるぜ?」
「っ!?そ、それとこれは違うよ!」

現れたのはうっすらとだが刻まれた二つの歯形。
それがついたのは、片方は戦闘中、もう片方は戦闘が終わり神社の前で団欒していたときだ。

「嬉しくなって噛みつくのは、確かに俺のクセだろうが、ここまでハッキリと歯形が付くのはお前の血だろ?」
「し、仕方無いよ!」

まさか嬉しさや感謝の意に噛みつかれるなど思ってもいなかった為痛みで吃驚してしまったが、その歯形は犬歯部分が特に血が滲むほどで竜の血を色濃く持つ自分の遺伝であるのは明白で、娘達が自分に残した歯形は確かに自分の血故であった。

「まぁ、カンナの方は俺がイったからってのはあるが、エポニーヌも噛みつくとはな。」
「まさか、こんなことになるとは思わなかったよ‥。」

幾ら我が子と言えど、交際前にゼロからされた戯れのようなそれは、同じ展開だっただけに警戒して、安堵した瞬間にガブッ!っとされてはひと堪りもなく。そして感謝の言葉を贈ってくれて感動を覚えていた矢先に、ニッコリと微笑みながらのガブッ!は完全に油断していた。

「ま、二人からの感謝の噛み痕なんだ。気にしてやるな。」

カムイに刻まれた娘達の歯形をゆっくりとなぞるゼロ。犬歯の部分はうっすら血が滲んでいて、そこに触れられると少しだけ痛みを感じる。痛みに少しだけ顔をしかめれば直ぐに指が離れ、今度は顔を近付け赤い舌を出して特に深い痕に舌を這わせた。

「ちょ、ゼロ?」
「しかし、幾ら娘達のだからと言えど、アンタにこんな痕を残されるのは癪だな。」
「エポニーヌはともかく、カンナは君が教えたんでしょ?」
「ああ。だから‥、」

二つの噛み痕から離れ、はだけられた鎖骨や胸に、鋭い痛みがはしる。

「ちょっ、痛っ!」

中にはあま噛み程度の痛みもあるが、殆どは食いちぎらん限りの力で噛みつかれ、痛みに涙が浮かぶ。

「アンタに、俺のモノだって痕を付けたくなるのは当然だろ?」

漸く上げたその顔は、満足げに、悪戯に成功したように誇らしげだった。

「っ!バカ!!」

それに思わず怒鳴り付けると共に手近にあった枕を投げつけたカムイは、命中を見届ける前にベッドの中に潜り込んだ。

咄嗟に顔面命中を避けて掴んだ枕を抱えてベッドの空いたスペースに座る。クツクツと笑いながら毛布越しの頭を撫でて、耳元たる其処で囁いた。

「でも、感じただろ?」
「!?」

ビクリと揺れるカムイに更に喉を震わせ笑うゼロは、油断した。

ガバリと起き上がったカムイは、勢いのままゼロの肩口に噛みついた。

「っ!?」

連日の行為の最中のそれと同じくらいかそれ以上の力で噛みつかれて、ブツリと小さな音をたてた。
つぅ、と流れる感覚がして、それを一通り舐めたカムイは口を離した。

「‥僕と結婚して、生きてくれて、有り難う。」

真っ赤に染め上げた顔をしたカムイは、すぐにまたベッドに潜り込んだ。

暫く固まっていたゼロは噛まれたそこに手をあて、にじみ出る血をそのままにクツクツと喉を鳴らし、バッと、布団を剥がした。

「煽ったのはお前だぜ?覚悟しろよ?」

真っ赤な食べ頃の伴侶の体に更に噛み痕が刻まれるのは、その直ぐ後だった。



END


**後書き**
途中から書けなくなって放置して、続き書いたら更に噛みつかれるはめになったカムイが出来ちゃった。

少量ですが流血描写があっちゃいましたが、苦手な方は申し訳なかったです。

とりあえず我が家ゼロカムの身体は噛み痕だらけという、ある意味とんだバイオレンス夫婦です。温泉は毎度夫婦で入ってます←




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