炎の紋章小説

□聖誕祭の夜
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ゼロカム♂+エポ+カン♀前提。

だってifだし!

エポちゃんとカンナちゃんは最後の方でしか出てません。
こっそり透魔ルート設定

─────

暗夜では古の賢人の誕生日とされる12の月25日は聖誕祭と呼ばれ、今では家族や友人、仲間達と共にパーティーをやったりプレゼントをあげたり等貴族や平民が楽しんだり、余程の貧民でもほんの小さな贅沢をして過ごす日だ。

進軍の休息で開いた聖誕祭のパーティーに、料理が得意な者達が作った料理、魔法や呪術で灯る光に飾られたキャッスル内、マイハウスも魔呪術の光の他に色々な装飾に飾られ、仲間達は楽しげに過ごしている。


賑やかなパーティーが御開きになり、子供達は親達に促され既に就寝していることを、見回りのジョーカーやフェリシアから伝えられ、ツリーの替わりを果たしているマイハウスではなく、宿舎にあるゼロの部屋でカムイは準備をしていた。

「え〜と、この格好であってるの?」
「ああ。俺的にはカミラ様が着たような際どいヤツの方がイイんだがな。」
「‥絶対嫌だからね。」
「それならエリーゼ様が着ていたヤツでもイイぞ。」
「却下!」

聖誕祭に登場する赤い妖精のおじいさんの格好に着替えたカムイは、頭にトナカイの角を生やしたゼロ(パーティー中にエリーゼに付けられカムイや娘達に似合うと言われ付けっぱなし)に噛み付きながら白い袋の中に自分とゼロが用意したプレゼントを入れた。

「2人とも喜んでくれるかな?」
「密かに調べた情報だ。抜りはない。」

子供達にバレること無く欲してるものを調べあげたゼロに、他の親達も信頼を置いている。特にレオンとオーディンは。各々の子供達の元へ赤い妖精に扮した親達が出向く様子を遠目に見てカムイは立ち上がった。

「じゃあ、行こう。」
「そうだな。」

まだ幻想的に輝く外に出て、子供達の眠る部屋へ向かった。







無事に娘達の枕元へプレゼントを置き、先程まで居たゼロの部屋へと戻った。

「ふふ。明日の朝の2人の笑顔が楽しみだよ。」
「ああ、そうだな。イイ顔になったら嬉しいもんだ。」

朝起きたときの2人の驚きと笑顔を想像して、カムイとゼロは微笑む。


「カムイ。」

就寝着に着替え、既に夜も更け寝ようとしたカムイにゼロが呼び止める。

「なんだい?」
「お前にも、プレゼントだ。」

予想外にプレゼントされ、小さな小箱とゼロの顔を交互に見た。

「え?」
「開けてみろ。」

促され慌てて開けてみた。

「うわぁ!指輪だ‥!」

赤い宝石がはめ込まれた指輪と、青い宝石がはめ込まれた指輪が光に当たり輝いている。

「ありがとうゼロ!凄く嬉しい‥。」
「思えば、プロポーズに指輪もなかったからな。結婚指輪みたいに一緒に選んだわけでもない、俺が自己満でオーダーしたやつだ。気に入ってくれて良かった。」

思いも依らぬプレゼントに、カムイは頬を染めゼロに微笑む。

「この宝石って‥、僕とゼロの目の色?」
「ああ。誕生石って手もあったが、そんなのより一番互いを意識し合える色がイイと思ってな。」

徐にゼロが箱から青い宝石の指輪を取り出し、カムイの左手の薬指にはめた。

「本当はエポニーヌ達みたいに眠ってる間に枕元に置いておこうと思ったんだがな。こうやって、お前の指に指輪をはめたかった。」
「ゼロ‥。」

カムイの細い指に青い宝石が煌めき、カムイの胸に暖かいものが込み上げる。

「カムイ、俺にもはめてくれないか?」
「うん。」

赤い宝石の指輪を取り、ゼロの左手の薬指に緊張しながら嵌めていく。

「まるで結婚式みたいだな。」
「ふぇ?!」

結婚式の指輪交換みたいだと茶化すゼロに、思わず更に赤面するカムイ。そんなカムイを抱き寄せ、指輪をはめたカムイの手と同じく指輪を付けたゼロの手を繋ぎ優しく握る。

「カムイ、俺を愛してくれてありがとう。これからもずっと、傍にいて、愛してくれ。」
「ゼロ。こちらこそ、僕を愛してくれて、大事にしてくれてありがとう。僕も、ずっと君を愛してるよ。」

愛を指輪に誓うように、2人の夜は更けていった。





「お父さん見て見て!サンタさんがプレゼントをくれたよ!」
「これ、あたしが欲しかった髪飾りよ!ふふっ!嬉しい!」

朝一番にマイハウスに戻り、身支度を終え寛いでいると、愛娘達の突撃で静寂の朝が一転した。だが、外からも他の子供達の驚きと喜びの声がちらほら聞こえてくる。

「良かったねカンナ、エポニーヌ。良い子の君達にサンタクロースがプレゼントを届けてくれたんだね。」
「サンタとやらも、粋なことをするな。」

カンナとエポニーヌが以前から欲しがっていたおもちゃや髪飾りを手に喜ぶ2人に、カムイとゼロも笑みを浮かべる。

「カムイ父さん、ゼロ父さん‥、あ、ありがとう。」

もうおとぎ話など信じていないエポニーヌはサンタが父親達だと言うのを知っていて、照れながら2人の父親にお礼を述べる。

「ふふ、何のこと?」
「俺達は何もシちゃいないぜ?」
「‥もう!」

だが、素直に礼を言ったのに誤魔化す父親達に、礼を言って損したとそっぽを向いてしまった。

「あれ?お父さん達、その指輪は何?」

おもちゃに喜ぶカンナはふと昨日まで無かった2人の指にはまる指輪に気付いた。

「此れか?これはな‥、」
「サンタさんが、ボクたちにもプレゼントしてくれたんだよ。」

お揃いの指輪が朝日を浴びて光輝いた。




END


**後書き**
間に合わなかった‥!でもup出来たのは奇跡だ。良しとしよう。

つっても完全に突発で書いたので何がなんやらわかんなくなった。

補足
暗夜にはサンタクロースという妖精のおじいさんはいるけどクリスマスという言葉は無いって設定。聖誕祭が所謂クリスマス。勿論白夜には無い風習です。

突貫で書いたので設定とかよくわからん。



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