炎の紋章小説

□清めて貴方のモノだから
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『カムイ、薄汚れた俺を‥、抱いてくれ‥』



弱々しい声で言われ、戸惑いながら縋るように抱き締めると、いつもより弱々しい欲情を煽るキスをされながら仰向けに押し倒された。しかしいつものように翻弄されながら互いに衣服を脱ぎ去り、胸の飾りを片方は口で、もう片方は手で犯されながら、自身も同時に触れられ次第に昂っていく。
急激な快楽に思考が溶かされそうになっているカムイは、しかし、与えられる快楽が変化したことに気付けなかった。
カムイに快楽を与えていたゼロが僅かに体勢を替え、胸の飾りを交互に口で弄り、中心は変わらず擦り続ける。

「ゼロッ、もう‥、イきたい‥!」
「‥イきたいのか?」

懇願するカムイは、確認するゼロにコクコクと頷く。

フッと笑う気配はいつもの了承に近いそれ。僅かに安堵するカムイにゼロは掠めるキスをする。

「じゃあ、イかせてやるよ‥。だがな‥、」

グッと身を乗り出すゼロに些かの疑問が過った。だが、直ぐに疑問が吹き飛んでしまった。


「ひっ‥ぁああっ!!」
「っぁ‥!い、れただけでイッちまったか。」

感じたことの無い感覚と包み込む熱に、ゼロの中で吐精したと理解したのは全て吐き出した後だった。


それでも、何が起こったのか解らないカムイは目を白黒させゼロを見る。
顔をあげカムイを見るゼロの顔も僅かに上気している。しかし常に無いゼロの何処か怯えを含む顔は何処かを冷静にさせた。

「ゼ、ゼロ?」
「カムイ、言ったろ?“抱いてくれ”って。俺のナカを、お前で、満たしてくれ。」
「ゼロ‥、わ‥、わかったよ‥。」

どうすれば良いか等解らないのに了承してしまったのは、あまりにも傷付いたような、寂しさと怯えを含むゼロが哀れで愛しく思ったからで。戸惑いながらも頷いた。



「えっ‥と、」
「ああ、解らないか‥。いつも俺がヤってるみたいに‥、っても出来ないか?」

了承したは良いものの、いざしようにも普段の情事でさえ翻弄され何も考えられない位に溶かされているのに、此方側など解る筈もない。そんなカムイを愛しそうに笑い、しかしいつものからかい含むゼロに羞恥で一旦退いた熱が更に込み上げる。

「っ‥、僕、いつもよく分かんなくなっちゃうから‥。」

素直に告げればククッと笑うゼロに少しだけムッとすれば、ゼロの中がキュッと絞まり息を呑んだ。

「っ?!」
「じゃあ、俺が動くから、カムイは俺のコレを、擦っていてくれ。」
「ふぇ?!ゼロの‥を?」

いつもは自分を翻弄させるカムイのよりも太く長い赤黒いそれは未だ一回も吐精をしていない筈だが、先走りを流し明かりに照らされ怪しく色めいていた。

「大丈夫だ。ただ上下に擦ってればイイから。」
「う‥、うん‥。」

やり方を教わりながら恐る恐る触れると、自身と違う熱に一瞬怯むも、熱いそれを優しく包み込むように握り、ゆっくりと上下に擦り始める。

「っ‥、そうだ、イイぞカムイ‥。」

カムイがやり易いように動かずにいるゼロは、カムイの拙いが気遣う様な刺激に僅かに息を呑みながらも感じていることに、カムイは少しだけホッとして手淫を続ける。
耳元で熱を含む息を聞く度に、カムイも次第に身体中に熱を感じていく。

「はっ‥、そう、そのまま‥、続けろ。」
「ぁ‥、ひっ!ゼロ‥?!」

今まで動かずにいたゼロがゆっくりと動きだし、中も僅かばかり狭め、中にいるカムイは思わず息を呑んでしまう。

「んっ!ふぁっ!ゼロっ、ゼロ!」

いつもゼロが施す手淫の様な快感に、しかし蠢くように誘う中に目の奥が火花散るように明滅する。
ゼロも的確に自分の最もイイ所にカムイ自身を当てるように動くので、手の動きと違う動きでカムイを翻弄していく。

「ははっ。普通に見れば‥、アンタが俺を犯してるのに、下の俺がアンタを犯してるな、コレ。」

向き合いながら中にカムイを中に入れ動くゼロと、ゼロの中へ自身を挿入しゼロのを扱うカムイ、と傍目に見ればカムイがゼロを犯す様に見えるのに反して、未知の快楽に翻弄されるカムイの方がまるで犯されているようで、ゼロは堪らなくなる。

ゼロの動きが速くなるに連れ、カムイの手は動きと快楽に疎かになっていく。それでも懸命に手を伸ばそうとするカムイに、ゼロは意地悪くより一層動きを速める。

「ひあぁ!ゼロッ!やっ、あん!やっ!」
「はっ、俺も、気持ちヨくしてくれよ。アンタばっかり気持ち良くちゃあ‥、ズルいだろ?」

決して快楽がないわけではないが、次第次第に疎かになっていくカムイに意地悪くなる。声を抑えて続けようとするカムイだが、やはり自身をくわえるゼロの中からの快楽に溺れてしまう。

「ゼロ!もう‥っ!」
「あぁ。俺も‥イクッ‥!」

ゼロの動きに最早限界でカムイはゼロに乞えば、ゼロも最奥の箇所へカムイ自身を突くように動いた。

「ふあぁぁあ!」
「クッ‥!」

一際深く埋め込まれ、カムイはゼロの中に、ゼロは最早沿えるだけのカムイの手の中に果てた。







END‥

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