零式小説

□輝石は何を語るのか
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※マキナが甲型ルシなどっかの輪廻設定
マキナは出てこない、0組とナギ中心。
死ネタ注意


────


裏庭の先にある共同墓地に0組の候補生が集まっていた。目の前には“クラサメ・スハヤ”の墓がある。

「私達の、隊長‥だったんだって。クラサメって人。」
「ふーん。」
「でも、涙が出ないの。」
「クリスタルが忘れさせてくれたのか。」
「‥何か、大事なこと‥、あった気がすンだよなぁコラァ。」

既に覚えていない“元”隊長。
各々の心や記憶にぽっかりと穴が空いたようだった。

ジュデッカ会戦及びビックブリッジ突入作戦を終えたほんの束の間の時間は亡き隊長に対しての虚無を占め、そしてその後に今は居ない仲間に対し無限の絶望を迎える時間になった。




「‥マキナ、何処行ったんだろう。」

墓地で仲間と別れ、レムは幼馴染みの少年を探した。朱雀・白虎共に大ダメージを受けた先の大戦に参加しなかった幼馴染み。皆心配しつつ何処か責めるようだったが、レムは心底心配している。まるでマキナが何処かに行ってしまうみたいで‥。

候補生用の男子寮に始まりテラス、クリスタリウム、リフレッシュルーム‥。マキナの居そうな所を順に探すが、見つからない。最後に探したのは、チョコボ牧場。



「あ、エース!」
「レム。」

幼馴染みと同様チョコボが好きなエースがチョコボ房の前で佇んでいた。

「エース。マキナ、見なかった?」
「いや、僕も探してるんだが、見ていない。」
「そっか‥。」

此処にも来ていないと言うのなら、もしかしたら行き違いか‥。
軽い失望を覚えるレム。そんなレムを見てエースは戸惑いながらも気遣いを見せる。

「大丈夫さレム。マキナも、直ぐに現れるさ。」

会戦前、エース達とマキナとの間に溝が出来てしまった。マキナの最後の肉親を死なせてしまったことを隠していたことをバレてしまって‥。
マキナは亡き兄を見殺しにし、更にそれを隠していた0組、特にエースに対し憎悪を抱いている。しかしそれでもエース達はマキナが心配で。クリスタルに忘れさせられる死者の記憶を、想いを引き摺り死者への思いに囚われているマキナ。そんな脆いマキナをエースは酷く心配していた。

レムもそんなエース達の想いを知っており両者の中立にいるが、日に日に脆くなっていくマキナを心配し、病魔に侵されている体を酷使してでもマキナを探していた。


しかし、その想いは最悪な形で崩壊してしまう‥。



「よぅ。此処に居たのかお二人さん。」

あまりその場に似つかわしくないおどけたような声。振り向くと魔方陣の方からつい最近0組に配属された諜報部四課である元9組のナギが此方に歩いてきた。

「ナギ。どうしたんだ?お前が此処に来るなんて珍しい。」
「まぁな。俺だってあまり此処に来たくないっての。臭いが‥、その‥な。」

言葉を濁しながら苦笑するナギ。それはここで働いている兵卒の目が怖いからだろう。
しかし直ぐにナギは真剣な眼差しで二人を、特にレムを見る。

「そんなことより、エース、レム。お前さん達に良い知らせと悪い知らせがある。」
「え?」
「いや、この場合はどちらも悪い知らせかもしれないがな‥。」

突然突きつけられる二つの知らせ。内容はまだ解らないが、ナギの言う通り何故か両方とも嫌な予感しかしない。

内容が内容だけに、場所を変えるために0組の教室に集まることになった。




他の仲間達も集まり、ナギは先程の話の続きを始める。
「そうだな。先ずは‥良い知らせからだ。
マキナが見つかった。」
「!ホント?!本当なのナギ?!」
「良かった。マキナ、帰ってきたのか。」

ナギの言葉に仲間は、特にレムは喜んだ。探しても見つからなかったマキナはどうやらナギが見つけてくれたようだ。

「それで、マキナは今何処にいるの?」

レムはマキナに早く会いたくてナギを急かす。他の仲間もマキナに一言文句や心配していたことを言いたくて、ナギを見る。しかしナギは、そんな0組の面々を見て苦虫を噛む。

「‥ナギ?」
「‥悪いがレム。こっからは悪い知らせだ。
‥マキナは死んだ。」

「‥え?」



足元が崩れそうになった。
がくがくと震える足によろけそうになるが、横にいたエースに支えられどうにか膝を着くことはなかった。

「‥ま、マキナが‥、死んだ?」

震える声でナギに問う。
嘘であって欲しい。
誰一人その言葉が信じられなくて、互いに驚き言葉を失う。

「っ!嘘言ってンじゃねぇそゴラァ!」
「そ、そうだよ!マキナがし、死んだなんて!冗談にしてもキツすぎるよ!!」
「そうですよナギ!何故マキナが死んだなんて‥!大体、私達はマキナの事を覚えているのですよ!死んでいる筈無いじゃないですか!!」

ナインとケイトをはじめマキナが死んだことは誰しも信じがたいことだ。クイーンが言ったように死んだのなら何故マキナの記憶があるのか。

そんな面々にナギは苦しく思うが、一息吐いた後伝える。

「‥此れは未だ上層部には伝えていない事だから出来れば他言無用。いいな?」

前置きをし、戸惑いながらも頷く彼等を見届け、ナギはあるものを見せた。

それは朱雀民なら誰しも持つノーイングタグと、光り輝く輝石だった。



「な、何でマキナのノーイングタグが?い、嫌だなナギ。マキナのノーイングタグを勝手に持ってきちゃ‥。」
「‥違うぞレム。俺達候補生は戦場で死んだ兵士や候補生のノーイングタグを回収する義務がある。だから、俺はそれを回収してきたんだ。」
「っ〜!」

マキナは先の大戦に参加していなかったからノーイングタグは提出していない。その為何処かにいると思っていた。
しかし見せられたノーイングタグは血にまみれ赤黒く変色していた。

しかし誰一人今だマキナが死んだとは思えなかった。

それを察してナギは輝石を見るよう促した。

「‥お前等は、輝石が何なのか知ってるだろ?」
「‥輝石とは、ルシが昇華した時になる結晶の欠片です。輝石にはそのルシが何を想って、何を考えていたのかを遺すことがあります。故にルシの中の記録者に見せれば中に秘められた想いや言葉を知ることができます。此れは昇華したルシの輝石のようですね。」

トレイが輝石について説明する。普段なら長い説明に嫌気がさし呆れる面々だが、何かを察し口を紡ぐ。
説明が終わりナギはそれに頷く。

「その通りだトレイ。この輝石は昇華したルシ、しかも白虎のルシの輝石た。」

確かに輝く色は白い。しかし、この輝石がマキナと何の関係があるのか。何故か嫌な予感がしてならず、ナギの言葉の先を待った。

「‥これからお前達に言うことは全て事実だ。受け止めろ。‥良いな。」

念をおすナギに更に不安に駆られるが言葉を待つ。

「マキナは皇国の‥、白虎のルシとなり、お前達が以前戦った白き死神を裏のセツナからの攻撃から庇って、昇華した。」




END


**後書き**
ほぼ未完に等しいけど朱雀サイドは出来てたからupした。

六億の中にマキナが甲型ルシになる世界があっても良いじゃんと思って出来た話。でもマキナ出てこないし死んだし甲型である描写が無いし‥。なんだこれ‥orz

一応根底はカトマキ前提A→マキ←レムだったりするが、マキナ死ネタ。





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