零式小説

□煩い君の黙らせ方
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“もし‥”設定なAマキ


─────


静かなクリスタリウムは読書や勉強をする候補生にとって最適な場所だ。

「エース。遊びに行こうよ。」

だからこんな風に邪魔されると凄く迷惑なのだ。

「マキナ。此処はクリスタリウムだから静かにしろ。」
「じゃあ遊びに行こう。」
「だから‥、はぁ‥。」

つい先日自他共に認める恋人同士となったエースとマキナだが、それからマキナはエースに更にベタつくことになったのだ。恋人のエースからしたら嬉しいことではあるが、いかせん時と場所を選んで欲しい。

「これでも一応声落としてるんだから、気を遣ってるんだぞ?だから遊びに行こう。」

気を遣うところが間違ってる。いや、周りに気を使うところは良いが自分にも気を使って欲しいと思うエースは溜め息を吐く。

「だから、これ終わってからだと言っているだろう。もう少し待て。」

マキナを一瞥してまたノートに視線を移すエース。しかしそれにムッとしたマキナはノートを取り上げた。

「‥マキナ?」
「勉強なんて後でいいだろ。早く遊びに行こう。」

四度目の主張とこの行動にカチンと来て、エースは満面の笑みを浮かべるマキナのマントを徐に掴んだ。

「エース?んっ‥?!」

マキナの顔を無理矢理近づけて半開きの唇に己の唇を寄せた。
奪われたノートがバサリと音をたてて床に落ちた。

「んっ!ふ‥、んふぅ‥、」

触れるだけのそれから舌を絡ませ深く口付けを交わす。
周りに水音が聞こえようと気にしない。他の生徒と大分離れたところに居るせいもあるが。
互いの唾を交換しながら深く口付けをし、舌を甘噛みし歯をなぞり上顎を擦る。
次第に力が入らなくなったのかマキナはズルズルとしゃがみこんでいく。それを追いかけるようにエースも見上げる姿勢から逆に見下ろす姿勢になった。

「ふ‥、んんぅ、ふぁん‥、」

完全にしゃがみこんだマキナを漸くキス攻めから解放したエース。その顔は両者、先程の二人と正反対だ。
仏頂面だったエースはしてやったりな満面の笑み。
満面の笑みを浮かべていたマキナは真っ赤な顔で忌々しそうにエースを睨む。

「これで暫く足腰が立たないな?」
「‥っ!」

真っ赤な顔で睨まれても可愛いだけだ。と思いながら奪われたノートを元の位置に戻し再びペンを握り直すエース。

「あと少しで終わるから、そうして待っていろ。マキナ。」
「‥ふん。」

そっぽを向くマキナだが、漸く大人しくなった。
終わったら何処に、何をしようかと、真面目な顔の下でエースは色々考えながらペンを走らせた。


END


**後書き**
もし‥設定なマキナだからウザイ。でもウザさが余り無かったかな?そこは反省。
エースは勉強関係は妥協しない設定。でもそういった意味で鬼畜っぽい設定。←
その後の二人がどこ行ったのかは皆様の想像にお任せします(笑)

実はこれ、以前書いたAマキのリベンジ物です。
前回のR指定Aマキは余りにもエースが報われなかったのでギャグ物でリベンジした結果、こんなの出来ました。
根本にカトマキの話ばっか浮かぶから朱雀の面々が浮かばれなさすぎてちょっと悲しくなった。今回はそんなことが無いので純粋にAマキに仕上がったと思います。

でもマキナのウザさとエースの軽い鬼畜さ加減には反省してます。後悔はしませんが。



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