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□望みの仮面と絶望の仮面
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ゼル伝要素在り
信じなさい
信じなさい
この仮面達は
“望みの仮面”
と
“絶望の仮面”
二つは表裏一体
例え離れていても互いを認知する不思議な仮面です
望みの仮面は着けた者の“望み”を叶える謂わば“表”の仮面
絶望の仮面は着けた者に“絶望”を与える謂わば“裏”の仮面
しかし気を付けなさい
気に入らない相手が着ければ忽ち“裏”となり“絶望”を与えます
気に入った相手が着ければ忽ち“表”となり“望み”を叶えます
だが二つの仮面は嘘つきだ
気に入った相手の望みを叶えるためにもう片方の仮面をつけた者に嘘をつく
ただしその嘘を見抜くのはとても困難
何故なら仮面は“欲望”を喰らう
“欲望”の“質”によって嘘を覆い隠す
だから気を付けなさい
そして信じなさい
信じた者は“救われる”
信じぬ者は“救われない”
さあ
信じなさい
信じなさい
信じなさい…
信じた筈なのに!
どうして?!
「まさかお前が嘘をついていたとはな!」
「俺達を騙しやがって!許さねぇ!!」
「俺達を騙して沢田‥いや、ツナを陥れたんだ!償ってもらうのな!」
「信じてたのに!裏切るなんて酷いわ!」
「嘘をつくなんて何て悪い子なの!ツッ君を返して頂戴!」
「君を10代目から外して地下牢へ幽閉する!幾ら傍系とは言えボンゴレの血を継ぐからな。残った他の傍系の男児から精子を提供してもらい人工出産させるからそのつもりでいろ。」
ボンゴレを手に入れるためにツナ君を陥れ、そして守護者達やボンゴレ上層部に嘘をつき私がボンゴレ10代目になって‥。
そしてツナ君が行方不明になって数年。
ボンゴレの全てを手に入れた筈だったのにいつの間にかすべて無くなった。
交戦では事前に対応を練るも敗戦。
交渉も直ぐに相手が裏を掻き不利な条件を提示。
そして下層部の部下達が次第に離れていき、遂にはミルフィオーレを筆頭とした敵対ファミリーが各ボンゴレ支部を強襲。
そして‥、過去の行いやツナ君を陥れた嘘が露見。
私は騙していた人達から残酷な言葉を吐かれ幽閉された。
あの時、この仮面をくれた男の忠告をしっかり聞いていればこんなことにはならなかったの‥?
助けて‥
助けて!
こんなこと望んでない!
どうして‥?
こんなことになるなんて?
「君ボロボロじゃない!家に来て!手当てしなきゃ!」
「こんな大怪我して‥、何があったんだろう?でも安心しな。此処には君を傷つけるものは居ないからな。」
「そうだね。だから安心して今は眠りなさい。」
僅かに薄れる意識の中、決して悪意を感じない人良さそうな人達に保護され俺は意識を手放した。
あれほど辛かった現実が一切感じられない場所へたどり着き、安堵したのか暫く目を覚まさなかった。
そして次に目覚めたら、全てが一転していた。
保護してくれた人は身内に警察関係の仕事(しかもかなり上層)をしている人が居て俺の身体の傷から虐待の痕跡や違法物の痕跡等を見つけ各々の管轄の人達に取り合ってくれた。更にはFBIにも取り次いでくれてボンゴレの内情を聞いて一斉検挙に踏み切ることになった。
そして俺はボンゴレから、俺を裏切った人達から逃げることが出来、更に暖かな人達に囲まれて新たな人生を歩むことが出来た。
あの時この仮面をくれた人が言っていたけど、信じていてよかった。
よかった‥
良かった!
これが俺の望んだことだ!
他人を信じない少女は仮面に嘘をつかれ他人を信じた少年は仮面に好かれた
そして仮面は“裏”と“表”が入れ替わった
言ったでしょう?
“信じた者は救われる
信じぬ者は救われない”と
さぁ役目を終えた仮面達は戻ってきた
私の役目もこれで終わり
私もこの世界から旅立ちましょう
いずれまた会うかもしれませんね
信じる者は救われる
さぁ
信じなさい
信じなさい
信じなさい‥
END
**後書き**
途中訳分かんなくなったけどゼル伝の仮面屋in復活ツナ嫌われもの。
ぶっちゃけinってほど仮面屋出てないけど。
望みの仮面と絶望の仮面はオリジナルです。
効果は本編中の通りです。
因みに着用時は他人には見えません。
以前diaryで書いた復活嫌われもののリベンジものだったりします。あれ、結局完結すらなかった‥。