BM

□ドリームボーイズ
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さぁ?
多少の無茶はしたくなる?
………何だソレ!

藤丸は、いささかご立腹であった。
遥を好きかと聞いた時の、音弥の態度。
その後、気を付けて見てみれば何のことはない。
おまえの無茶は"多少"どころじゃねえんだよ!!
「…どうした、藤丸?」
藤丸は、助けに来てくれた音弥に、宝生と何があったのかを聞いていた。
音弥は撃たれたと聞いたが元気だし、遥も無事だという事だ。
先ほどまでJの事で頭がいっぱいになっていた藤丸だったので、要点だけ言われてもすぐには理解できず、少し落ち着いてきたということで、詳細を聞いていたのだ。
「…べっつに」
「いや…、別にって態度じゃないだろソレ…」
しかし何だ?
怪しいからといって宝生に紅茶をぶっかけて?
男前に弓なんか構えといて?
…撃たれてんじゃねえかよ!
思いっきり!
「なぁ、何なんだよ?一体…」
腰に手を回され、抱きしめられる。
耳元で呟くのは反則だ。
…このムッツリスケベが。
「べ・つ・に!ただ音弥さんはだいぶ頑張ってくれたようで?まぁ遥守ってくれたのは例を言うけどさ、よくそこまでできたよなぁ?兄の俺をさしおいて、やっぱ相思相いあっ…………………ぅ」
「相思相いあ…?」
…トチった。
思った事をそのまま勢いにまかせて言ってしまったせいか……、しかし何だ、相思相いあって…相思相いあ………。
「そっ、相思相愛だと…違うんだなぁ……と………」
語尾がだんだん小さくなっていく。
恥ずかしい…!
抱き寄せられているのをいいことに、藤丸は音弥の胸に顔を埋めた。
うわぁ…うわぁ…俺今めっちゃ意味不明だ…。
ぎゅっとしがみつくと、音弥が小さく溜息を漏らした。
「遥ちゃんを守るのは、俺達2人の義務だろ……それからお前、パソコンでばっか話してないで、口での会話の量を増やせ」
そんなんだから相思相愛なんて言葉も言えないんだぞ、と言われて、うっとなる。
「…別に遥の事はわかってるし…、っそれに相思相愛が言えなかったのはちょっと興奮してただけだ!」
「興奮?妬きもちで?」
黙れこのムッツリスケベ!
何も言えずに、音弥の胸から顔を上げて彼を睨むと、小さく笑い返された。
「…何笑ってんだよ」
「いや、俺ってやっぱり藤丸と相思相愛だったんだなぁ、と…」
「何だ音弥、今更気付いたのか」
噴火しそうに熱い顔を抑えながらそう言えば、音弥は驚いたようにまた笑った。



END


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