short 1
□守りたい女性(ひと)
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青エク・勝呂竜士夢
柔造夢ヒロイン。勝呂姉
※変換なし
―――――
『――りゅっうじくーん!!』
「――なんっ・・・!!」
突然名前を呼ばれたと思うたら胸に軽い衝撃と温もりを感じた
『びっくりした?』
えへへーっと無邪気にニコニコ笑うお姉に何するんや、と怒る気を無くす
「・・・それはまぁ、そやな。」
驚かない訳がない。いくら姉弟でも小さい時を除いて日頃こういったスキンシップをしてる訳や無いんやから驚かないでいる方が難しいと思う
そうやのにお姉ときたら人の気ぃも知らんでこうして抱き着いてきよる・・・
ドキドキしてる俺の方が何や阿呆らしい
「――・・・で、お姉俺に何や用事あるん?」
『えっ?何で?用事無いと竜士くんに会いに来たらあかんの?』
「・・・何でて・・・。はぁ・・・お姉はこれやから・・・」
綻びそうになる顔を隠したくてギュッとお姉の事を抱き締め返した
・・・姉弟や無かったらきっとここはキスの1つでもしてたん思うけど、姉弟やからそれは出来んし・・・して良い訳がない。
・・・そんな俺をお姉は深く抱き締めてくれる
背に回された手は俺の背をトントンと宥めるようにして・・・
『――・・・ねぇ、竜士くん。』
「・・・何や?」
『・・・毎日学校、楽しい?』
「・・・どうなんやろな。普通と違うん?」
学校が楽しいかと聞かれてもこれと言って思い付かない
しいて言うたら楽しい、たのしく無いのどっちかやのうて“普通”だと思う
『・・・ほーか。――・・・なら、な・・・“塾”はどうなん?楽しいか?』
「・・・それは・・・」
塾が楽しいか?何て考えた事が今までにあったやろか?
俺が何の為に塾に行ってるのかなんてお姉も知っとる筈やのに・・・
・・・ただ、今はその事を口にするのは違う気がした
『・・・堪忍な。不甲斐ないお姉ちゃんで竜士くんにばっかり負担かけてしもうて・・・本当なら私がせなあかん事を竜士くんに任せとるのに何も出来ひん・・・』
「・・・お姉・・・」
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