05/13の日記

08:17
小十佐の日
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「•••••••••」

「へへ、来ちゃった☆」

「•••それは巫の真似か?猿飛」

「久しぶりに俺様が会いに来たっていうのに、第一声がそれ?右目の旦那冷た〜い!」

「暖かい反応をさせてえなら、それ相応の態度で来い」

「うっわ、右目の旦那ってば手厳し〜!右目の旦那に会いたくて俺様急いで来たのになぁ」

「真田のついでに、だろう?」

「•••まぁ、ね」

「そこは即答じゃねえのか」

「いや、だってさ•••」

「•••?」

「確かに旦那のお供で奥州に来た訳だけど•••来たら来たで何でかわかんないけど、やっぱ顔を見たくなっちゃうんだよね」

(•••相変わらず、素で本心を言う時は芝居がかった言い方をしねえのに自分で気付いてねえんだな)

「あ、そうそう!右目の旦那にお土産あるの忘れてた•••はい、これ」

「これは•••?」

「あ・ぶ・な・い・お・く・す・り」

「あ"?」

「冗談だって•••もう、そんな睨まなくても良くない?」

「お前が言うと冗談に聴こえねえ」

「酷いなぁ•••右目の旦那のために俺様が夜な夜な材料集めてこしらえたっていうのにさ」

「材料は絶対言うなよ、わかったな?」

「•••それは言ってくれっていう」

「フリじゃねえ」

「だよねぇ?わかってるよ」

「•••で、何の薬だ?」

「胃にも優しい滋養剤!最近•••って言うかいつものことだけど苦労してるんでしょ?旦那から聞いたよ」

「•••真田から?」

「そ!旦那は自覚無いだろうけど」

「それはどういう意味だ•••?」

「ん〜?竜の旦那からの文の内容を教えてくれる時•••はっきり言えば惚気られる時にね、何て言うか竜の旦那に苦労してるのが目に浮かぶんだよねえ•••」

「•••政宗様は何かまた厄介事を持ち込んでなかったか?」

「今回は大丈夫そうだったよ、旦那の話を聞く限り•••って、『また』って言う辺りやっぱり苦労してるねえ、そっちも」

「お前もな•••すまねえな、有り難く貰うぜ」

「どうぞどうぞ、こちらこそ旦那がいつもお世話になってます〜ってね?」

「•••フッ」

「ん?どうかした?」

「いや•••久しぶりに会ってもこのやり取りは変わらねえな、と思ってな」

「あ〜•••嬉しいような、変わっていてほしかったような•••複雑」

「なら野菜は要らなかったか?」

「それとこれとは話が別!有り難く頂戴致します、景綱さんっ」

「良い笑顔だな、俺の野菜も冥利に尽きる」

「んふ〜だって本当に美味しいんだもん」

(•••可愛い顔も出来るじゃねえか)

「何作ろっかなぁ•••浅漬けとか和え物とか?あ、でも炒め物も良いよなぁ•••んん〜迷うな」

「•••忍とは思えねえ発言だな」

「それは言わないで•••あ、金平牛蒡は決定事項だから」

「•••本当にお前は忍か?」

「俺様は歴とした忍です!•••平時はらしくないかも知れないけど」

(かも、じゃねえだろどう考えても)

「?•••なに?俺様の顔に何か付いてる?」

「いいや」

「え、ちょっと?その含み笑いはなに?気になるじゃん」

「何でもねえ•••ほら、野菜を穫りに行くぞ」

「はいはい•••もう、せっかちさんなんだから」

「•••ああ、せっかちで思い出した」

「ん?なに•••っ!?」

ぎゅっ

「俺も会いたかったぞ、佐助」

「•••!」

「もう少しこのままで居たいところだが、続きは野菜を収穫してからだな」

(ああもう!何なのこの人!素っ気ないフリして急に来るとか•••!俺様が誘ってる時には来てくれないくせに、自分の気分が乗った時には迷わず来るなんて•••!やばい、可愛いッ)

「•••ぐずぐずしてると政宗様と真田に有耶無耶にされるからな」

「〜〜っ•••」

「•••猿飛?」

「へへ•••今日はいつも以上に腕によりをかけて料理しちゃおっと」

「ほう、それは楽しみだ」

「何かご希望があれば聞くけど、何かある?あ、俺様でも良いよ?」

「そうか•••ならそれは俺が最後に料理してやろう」

「•••えっ、本気?」

「自分で言っておいてそれはないだろう?」

「•••だって呆れると思ったし」

「そんな期待を込めた目で見られて無視が出来るほど、俺は人が出来ていねえんだよ」

「そんな目をしたつもりは無いけど•••いちゃいちゃ出来るなら何でも良いや」

「お前な•••いや、それもそうか」

「言葉遊びも良いけど、直球なのも•••ね?」

「フッ、違いねえ」

「へへっ•••じゃあ今日は俺様たちが竜の旦那に見せつける番だよな!よ〜し、たまには見せつけられる側の身にもなってもらわないと」

「───」

「•••あれ?そういう意味じゃないの?」

「強ち間違ってはいないが•••猿飛」

「うん?」

「•••あまり政宗様を挑発し過ぎるんじゃねえぞ、後が面倒だからな」

「はいはい、わかってますって!」

(真田ほどではないが、猿飛も天然だな•••政宗様の気持ちが少しはわかる•••)

「•••あのさ、右目の旦那」

「なん──」

ちゅっ

「えへへ、さっきのお返し!」

「•••••••••」

「じゃ、先に畑行ってるからね!」

「••••••やられたな」

(•••//••••••自分でやっといてアレだけど、なにこれすっごい恥ずかしい•••っ)

「ふぅ•••これは据え膳食わぬは何とやら、だな」

(柄にも無いことってやっぱするべきじゃないね、うん•••恥ずかし過ぎるッ)

「•••たまには柄じゃねえこともやってみるもんだな•••おかげで良いものが見れた」

(うわぁぁ、この後どうしよう•••帰る時にすれば良かった•••これじゃせっかちなの俺様じゃん、ほんと恥ずかし•••っ)

「柄じゃねえことをすると背中がムズ痒くなるが•••猿飛の嬉しそうな顔が見れるなら、構わねえ•••か?くくっ」



〜おわり〜

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