07/08の日記
03:16
瀬戸内の七夕
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「よっ!久しぶりだな元就!」
「••••••誰ぞ貴様は」
「!!?☆%∀&§ッ!?」
「日本語を話せ、日本語を」
「!?••••••!!•••?••••••!!?」
「•••貴様は顔芸をする本多か」
「そ、それはちょっと見てみてえけど•••!俺だよ、俺!海が似合う男、西海の鬼こと•••!」
「フン、知らぬな」
「〜〜〜ッ!!」
「用が無いなら帰れ、真夜中に我を嬉々として訪ねる変人など•••」
(おいちょっと待て•••マジか?本気なのか?押して駄目なら引いてみろ作戦でしばらく会わねえ内に本当に忘れられちまったのか!?そうなのか!?)
「•••そうだな、我は1人しか知らぬわ」
(前田の風来坊に助言もらったのが裏目に出たのか!?それとも俺が引き過ぎて元就との心の距離まで開いちまったか!?•••!ま、まさか•••)
「ふ、ふん•••しばらく姿を見ないかと思えば•••何をしておったのだ、貴様は?」
(お、俺が思うほど元就に想われてなかった•••の、か•••?俺が自分の気持ちを押し付けていただけ、だった•••のか•••?)
「•••?貴様、我の話を聴いて•••っ!?」
「ッ•••っ、ッ••••••」
「な、何故そこで泣く!?」
「だってよぉ"ぉ•••っ、俺ッ•••元就に•••き、き•••嫌わ•••ッ」
「じ、自分で言って更に泣くでないわ!この馬鹿親がッ!!」
バシンッ!!
「あぃ"だぁぁあッ!?ハタキは止め•••!って•••も、元就!?」
「はぁ•••貴様の馬鹿さ加減は我の計算外よ•••この程度で狼狽えるなど、貴様は我の予想斜め下をいくな?馬鹿親」
「も、元就ぃ•••!!」
がばっ!
「!?は、離れろ!暑苦しい!」
「良かった•••マジで忘れられたかと思った•••!」
「•••もう数日、帰って来るのが遅ければ忘れていたであろうな」
「!!」
「冗談ぞ•••と言うより、あれだけオウムで文を寄越しておいて忘れると思うのか貴様は?」
「だ、だってよ•••文は出しても直接会ったわけじゃねえから•••」
「•••西海の鬼のくせに聞いて呆れる発言ぞ」
なでなで
「!う、うるせえな•••!好きなんだから、仕方ねえだろぉッ!」
「耳元で叫ぶでないわ!」
「いででででッ!ちょっ、眼帯引っ張るの止めろ!食い込む!」
「なら黙れ」
「•••••••••」
「わかれば良い」
なでなでなで•••
(•••やべえ、俺いま元就に頭撫でられながら抱きしめられてるぅ•••ッ!!)
「•••••••••」
(ゆ、夢じゃねえよな!?さっき叩かれた時すっげえ痛かったしな!くぅぅぅ•••っ!戻って直ぐ来て良かったぜ•••!!」
「•••本当に帰って来るとはな」
「え?今なん•••ぃででででッ!ちょ、耳!つ、爪が痛え!」
「うるさい、情けない顔を我に見せるでない、用が済んだのならさっさと帰れ」
「そ、そりゃねえぜ元就•••!数ヶ月も会えなかった分、堪能させてくれよ•••!」
「何故我が貴様の欲を満たさねばならぬ」
「旅先の異国で元就の好きそうな甘味をお土産に持っ•••」
「それを早く言わぬか、早く部屋に入るが良い」
(切り替え早ッ!つーか俺<甘味かよ•••っ!元就らしいけど•••!)
「何をしておる、早く来い」
「お、おう!•••はぁ」
「•••何ぞ?我に土産を差し出すのは嫌だとでも?」
「違う違う!いや、その•••な?ずっと船の上だったから笹が用意できなかったし、異国の海が荒れに荒れて七夕までに帰って来れなかったでちょっとなぁ•••」
「?」
「•••お前と七夕したかったんだよ察してくれよ」
「ああ•••それなら心配要らぬ、幸村の所で済ませて来た」
「そうか•••幸村の所で••••••ん?」
「数日前に誘われてな•••幸村と猿飛、石田と大谷、そして我の西軍で近況報告を兼ねて七夕を•••」
「は!?え•••き、聞いてねえぞ!?」
「今言ったからな•••誘われたその日に貴様に連絡したところで間に合わぬのは目に見えておった故、我が代わりに貴様のことを報告しておいた•••有り難く思え」
「くそぉ•••俺もそこに居たかったぜ•••っ」
「くく•••ならばその時の話をして貴様の無念を更に煽ってやろうぞ」
「マジで心が折れるから止めろお願いします」
「ふん•••ならば甘味を食しておる我が退屈せぬように貴様の船旅の話を聞かせることぞ」
「•••頑張リマス」
「何故そこで片言ぞ•••」
(うう•••引いたおかげで頭を撫でてもらったのは良かったが、会えねえ間の恋しさが半端無えよ•••!また前田の風来坊に助言もらっておこう•••)
「•••ふん、落ち込むぐらいなら無計画に海に出るでないわ」
「正論過ぎて返す言葉もねえ•••くそぅ、マジで俺もそこに居たかったぜ•••今度そこに居なかったやつ同士で政宗に愚痴るか•••」
(伊達も何故か後から来ていたのだが•••面倒だから黙っておくか)
「•••あ、そう言えば元就は短冊に何書いたんだ?」
「む?•••確か、甘味が『来る』ようにと書いた」
「•••んなこったろうと思ったぜチクショウ!そこは嘘でも俺に会いてえとかだろぉ•••!!」
「知らぬ、夜半に叫ぶな迷惑ぞ」
「い、一蹴された•••」
「•••ふん」
「まぁ良いか、無事に元就に会えたことだしな!•••へっへ、今夜は会えなかった分語り明かすぜ!」
「そうか、甘味が無くなるか話が退屈な時は我は眠るがせいぜい独りで話し続けるが良い」
「•••手厳し過ぎんだろ•••ってか絶対食い終わるの早いだろ!?むしろさっさと食って寝るつもりだろ!?寝たら抱き枕にすんぞ!?」
「その時は血の雨を降らすだけぞ」
「•••調子に乗りましたすんません」
「始めからそうして大人しくしておれば良いものを•••」
(お、俺•••元就に勝てる気がしねぇぇぇ•••帰ったら四国中の短冊に元就がデレてくれますようにってお願いしてやる•••ッ!!)
「•••ふっ、やはり馬鹿親ぞ」
「!!」
「•••なんぞ、その顔は?何ぞ文句があるとでも?」
「い、いや•••」
「ならば早く部屋に入れ、湿気が入る」
(も、元就が俺に•••ほ、微笑んでくれた•••!ああマジかよ可愛い来て良かったぁぁあ•••ッ!!)
「•••貴様、ただでさえ情けない顔が崩れておるぞ」
「これは元就が好•••」
「そうか気持ち悪い」
「さ、最後まで聞いてから言えよ!」
「•••ならば言ってみよ」
「おう!これは元就が好き過ぎて幸せに満ちた俺の顔を使った元就への愛情表現だ!」
「•••••••••」
ビシバシビシィッ!!
「いだッ、ちょっ•••痛えって!つか無言止めろ!寂しいだろ!?」
「最後まで言わせた我が馬鹿だった•••気持ち悪さが倍増ぞ」
「ひ、酷えッ!!」
「酷いのは貴様の頭の方であろう」
「ーーーー」
「絶句するのは我の方ぞ•••フッ」
(あっ、可愛い•••ッ)
(ッ•••嘲笑されて何故そんな幸せそうな顔をするのだ、この馬鹿は?変態か?••••••変態だったな)
「〜♪」
(我がいくら突き放してもどれだけ手酷く扱おうと•••気がつけば傍に居る、そして)
「なぁ元就」
「•••なんぞ」
「好きだぜ」
「•••知らぬ」
「冷てえなぁ•••ま、そこも良いんだけどな」
(我がどんな反応をしようと笑って済ます•••本当に、掴めぬ奴よ)
「•••ん?どうした?俺の顔をじっと見て•••あ、さては惚れたか?」
「寝言は寝てから言え、それと鏡を見てから言え」
「はっはっは!照れるなって••••••」
チャキッ
「すまぬ、良く聴こえなかった」
「•••何も言ってないから大丈夫だ」
「そうか」
(っ•••怒った顔も可愛いけどよ•••!追加で少しは俺に優しくしてくれますようにって書いておこう•••っ)
おわり
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