11/11の日記

22:49
いつぞやの•••・保護者
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「はい!景綱さん!」

「なん•••は?」

「んっ!」

「••••••は?」

「んん〜っ」

「•••何をしている」

「何って•••見てわからない?」

「政宗様と真田の真似•••か?」

「わかってるじゃん!ならほら、早くはやく!ん〜」

「•••そう言えば」

「ん?」

「俺とお前で、いつだったか真田に教えたことがあったな」

「•••?」

「これに関する奥州の習わし」

「あー•••そんなこともあったっけなぁ•••嘘だけど」

「主に嘘を教えるのは良くないな」

「•••いや、それ提案者が言う言葉じゃないでしょ」

「俺は政宗様を騙した憶えはないぞ?」

「旦那は騙したじゃん」

「政宗様がそうしたいであろうことを俺は真田に教えたまでだ」

「はいはい、物は言い様ですね」

「•••その時の内容、憶えているか?」

「えっと•••接吻の前にこの甘味を一緒に食べる、だっけ?」

「そうだ」

「•••それがどうかした?」

「せっかくだから実践しようかと」

「俺様はそれでも構わないけど•••景綱さん、甘味あんまり好きじゃなかったんじゃ?」

「甘ったるいのと量を食べるのが苦手なだけで、食べること自体は嫌いではない」

「そうなの?」

「ああ」

「じゃあ•••はい!景綱さんの分!」

「すまんな」

「いえいえ、それじゃ•••いただきます!」

「いただきます」

ぽりぽりぽり•••

(確かに俺様、旦那にこれは接吻前に食べるんだよって教えたけど)

「•••••••••」

(宣言してからだと接吻する面白味が半減かも•••ま、旦那には心の準備が出来て丁度良いのかも知れないけど)

「••••••?」

(俺様としては、景綱さんがびっくりする顔を見たかったんだけどなぁ•••ちょっと失敗•••まぁ、景綱さんが黙々と甘味食べる可愛いとこが見れて嬉しいけど)

「フッ•••」

「ん?」

「まぬけな顔だな」

「•••ちょっと?それどういうい•••ッ!?」

ぐいっ!•••ぱくッ

「•••ん」

「ッ!?」

「•••くく、ほらな?抜けた顔になった」

「〜〜〜っ!!•••忍に不意打ち仕掛けるなんて、大胆じゃないの」

「仕掛けられる前に、仕掛けたまでだ」

「•••あっそ!」

「はははっ」

「•••ってかさぁ」

「なんだ?」

「どうせなら、もっとゆっくりしても良かったんじゃない?」

「•••と言うと?」

「ええと何だっけ?ぽっきー•••げーむ?」

「何だ、そっちがしたいのか?」

「•••そっちって?」

「てっきり、キスする理由に使ってるだけだと思ってたんでな•••お前を喰うために、邪魔な甘味をついでに食っちまった」

「よくもまぁ、そんな恥ずかしい台詞をいけしゃあしゃあと•••」

「俺は甘味なんぞ無くても、お前とキスできればそれで良い•••ただ」

「?」

「お前のいつもと違う顔を見れるなら、小道具を使うのも惜しまんぞ?」

「•••何の宣言ですか、何の」

「したいならゲームをするが?」

「•••景綱さんがしたいんでしょ?」

「ゲームはどうでも良いが、な?」

「•••じゃ、景綱さんから来てくれるでしょ?」

「お前が来ないなら、そうするしか無いだろう?」

「•••なら決まり!んっ」

「せっかちな奴だな」

「んー?ほれどうゆうひみ?」

「食いながら話すな、笑っちまう」

ぱくっ

(うわ、近っ•••こりゃ面白味とか言う前に心構え要るわ•••)

「•••••••••」

(しかも•••景綱さん、優しい顔して迫ってくるし•••やだなぁ、何か仕掛けた俺様が恥ずかしいじゃん•••っ)

ピタッ

「?」

(あー無理ムリ!何か照れちまうよ、まったく!!)

「•••仕方のない奴だ」

「へ?•••ッ!?」

ちゅっ

「正面がアレなら、横から行くのは構わない•••だろう?」

「っ•••口、先に離した時点で景綱さんの負けなんですけど•••!」

「これは勝ち負けじゃねえ、いかにして楽しむか•••だ」

「ッ•••ホント、口が上手いんだから」

「キスも上手いか?」

「なっ•••こ、このおバカさんッ!!」

「くくく•••褒め言葉だ」



おわり

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