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□☆僕らのラブコメ
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―発車します、お掴まりください
夜のバス。
2人がけの座席。
「発射だって御剣!なんか知らないけど発射されちゃう!」
「馬鹿かキミは。突っ込む気にもなれん」
「当たり前だろ。お前は突っ込まれる気になってればいいんだよ」
「………私が悪かった」
「そんなことないよ。たまにはアリかもしれないし」
「断る」
意味が有るようで無い、言葉のやりとり。
段々御剣の眉間のシワが深くなる。
「道、混んでないといいね。」
「ああ。」
「…早く帰って御剣に発射したいよ」
「……いい加減にしてくれ」
溜め息と一緒に現れた顔。
ほらほら、ボクが好きなその顔。
眉間にシワを寄せ、困ったような表情のまま、御剣は窓の方をむいてしまった。
横顔が照れてるように見えるのは、賑やかなネオンのせいかな。
「怒った?」
「……」
無言。
きっと今夜はベッドに入ってしまうまでは目を合わせてくれない。
けれどボクの右手を痛いくらい繋いで来る御剣の左手が、"怒ってないよ"と主張していた。
「……主張を認めます」
fin