Main

□拒否権はキミに有り
1ページ/2ページ






「成歩堂。スプーンはどこだ?」
「あー、そっちの棚の小さい引き出し。」



久しぶりに二人してティータイムなんてボクにとっては嬉しすぎるんだけど、御剣の表情はいつもと何もかわらない。


「御剣、お前はなんていうか、氷の仮面でも着けてるのかな?」
「………キミこそ何だ、そのだらしのないニヤけた仮面は。」


仮面じゃない、これは有りのままのボクだ!と力強く言おうとして、止した。


「御剣はさ、いつも表情と感情が連動してないよね」
「そうか?…あまり深く考えた事は無いが。」



だって嬉しい事があっても無表情。
嫌な事だって、大抵一人で我慢してると思う。


「キミは表情と感情が連動し過ぎだな。せめて法廷では引き離したまえ。」
「良いだろ、感情豊かなのがボクの売りだから」

「それでは私が不感症のようだ」
「違うの?近いものがあるだろ」



紅茶を二人分、テーブルに置き、何故か御剣はボクの隣にぴったりとくっついて座る。



「……御剣、近くない?」
「……そこまで言うなら、証明してみせよう。」
「?」
「私が、不感症ではないと」


…………?

瞬間。
やわ、と唇に何かが触れて。
次に気付いたら、御剣は顔やら耳やらを真っ赤にして隣に座っていた。




「み…みみみ…御剣ぃ!???」
「………どうだ…?私だって…///感情を顔に出す事くらいっ…」


フイっとそっぽを向いて、本気で照れて居る。

「うん。よぅく分かった」
「………なら、よかった」

チラチラとボクを見て、ニコリと笑う御剣…。




「御剣っ…!!!可愛すぎるんだよお前は…だから今すぐ抱かせろっ」

「断る!!!」




まあ、さ。

本当は体を張ってまで教えてくれなくたって、御剣が感情豊かな事は、誰よりもボクが知ってるんだけどね。








fin
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ