*.Novel
□mischief:salacious
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遠くから、夜の街独特の騒がしいような、音がきこえてくる。 何となく耳障りな音だから、頭まで毛布に包まって、その音を少しでもきこえないようにする。
現実と夢の境目を漂っていると、寝室のドアが開く。
久保ちゃんだってすぐ気付いた。−だってこの家には俺と久保ちゃんしかいねぇんだし。
でも久保ちゃんの足音…何かヘン。なんつーか、音を立てないようにしてるっつーか…。気付かれないよーにしてるっつーか…。
そんなことを考えているといきなり久保ちゃんが毛布に包まってる俺に、寝てる俺に!…抱きついてきた。
抱きついてくんのはいつものことだからヘーキだけど、何かいつもより強く抱きしめられてて…少し苦しい。
久保ちゃんの心臓の鼓動の速さが速くなっていくのが俺にも伝わるくらい、強く抱きしめられてて…。このまま抱きしめられんのもいいけど、どーして久保ちゃんが、こんなに…それこそ俺の息が出来なくなるくらい抱きしめてくんのか、その訳が知りたくて、寝たフリすんのをヤメた。
「……久保ちゃん……?」
「ああ、ごめん。起こしちゃったよね」
「んにゃ…別にいーんだけどさぁ…」
「………けど?」
「何できつく抱きついてきたんだ?」
「あ…バレた?…バレないと思ったんだけどなぁ」
「バレるわ…!あんだけ強く抱きついてきたら!!…お陰で苦しかったんだぞっ?!」
「ならいっそ、そのまま息が止まったら良かったのに」
「は?!!!」
何言ってんだよ??!!俺に死ねってことか???!!!…とか考えてたら急に涙が出てきた。
くそっ訳わかんねっ……。
「…時任…??」
「…っもう俺なんか要らないんだろっ?!だから…っ…」
途中まで言葉を口にしていきなりキスされた。だけど俺は抵抗して、抵抗して…だけど叶わなくて…。
久保ちゃんがゆっくり唇を離すと俺の涙をその大きい手でやさしく拭った。
「ごめん。言葉が悪かったよね。時任が言ってることとは違くて……このまま俺の、俺だけの時任であって欲しいって思って……誰も見て欲しくなくて、俺だけを見てて欲しくて…」
そして、さっきより強く…だけど優しく俺のことを抱いてくれた。俺は久保ちゃんが俺のことを想ってくれてるって思うだけで胸が痛くなって、たまらなくなった。
俺だって久保ちゃんのことが大好き…どうしようもなく……………久保ちゃんが好きでしょうがなくて。
「…久保ちゃん…さっきごめん。勝手な思い込みでいきなり泣いて……」
「時任のせいじゃないよ。俺が悪いんだから。………それに泣き顔見れたし?」
「なっ……?!!〜久保ちゃんのバーカっへんたーいっ!!」
「ねぇ、時任…気付いてる?」
「は?」
「俺に泣き顔見せて置いて、そのうえあんな可愛いことさせたら……我慢しろっていうほうが酷って感じなんですけど??」
そう言って俺の鎖骨の少し上あたりにキスしてきた。一瞬身体がびっくりしてビクッと動いたのが久保ちゃんにも知られたらしく……
「…ココ弱いね、時任−。」
とか言ってきやがった。でも、もうさっきのキスで腰に力が入らなくなってた俺は抵抗するすべもなく、久保ちゃんの思うがままに、おいしく頂かれてしまった。
……このエロ眼鏡っ!!!
後で、何で強く抱きついてきたか、きいてみたら…夜這いにいったから時任に動き取られると少し面倒だったから(笑)…とかいいやがった!…結局俺はムダな涙流して久保ちゃんの思うがままに頂かれて……めちゃくちゃ損したっ!!
…久保ちゃんのバーカ!!変態!!エロ眼鏡!!