最近は、また笑い合えるようになって嬉しいよ。 君は俺と肩を並べている事に戸惑うふりをして目を反らすけど、そんなの、気にならないくらい俺が笑えば良いだけだ。 「アーサー!!」 俺は今日も君を呼ぶ。少し低くなった声でも、君は俺だと判ってくれて。振り返る瞬間と口を尖らせるその間に、君が見せる少しの笑顔。それが見たくて、君を呼ぶんだ。 でもいい加減、 「お、アルフレっ…んん!?」 それだけじゃ足りなくなるよ。 「ン…ふあ…っん…」 「…………」 突然の口付けに状況が把握出来ないまま、少し抵抗はするものの嫌そうには見えない。それどころか顔を赤らめていく君は、あの日の君とは全く違う。 君が変わったように、俺も変わったんだ。昔も今も、変わらず君が大好きだ。ただ、 その"好き"の意味が変わった。 「……っあ、…る…ンぁッ」 苦しそうな君に少しの息継ぎ。でも、もう逃がせそうにない。 再び唇を被せれば、そのまま俺の舌は君の舌を弄ぶ。キスが上手い国ナンバーワンの君には物足りないかと思ったけれど、満更でもない。一位をとるのは俺の特技だからな。 「…………」 ふと、勿体なさ気もなく唇を離した。自分でも判らないけど、何か違う。 「…ふはっ……あ、…アル…?」 当の君は潤んだ瞳を指でなぞりながらも、訳が判らないといった様子で俺を見上げてくる。 「あ、…えっと」 「……?」 君は、言わないと判ってくれない。だから、 「アーサー、おれ…、き、」 君を、 「き、君のところの挨拶、覚えてきたんだ、ぞ」 愛してるのに。 どうしたら大人だって認めてくれる? 「なっ…、これはフレンチキスって言うんだよ!!勉強し直してこいばか!!」 もう、あの頃の俺じゃないよ。 |