もう慣れた。 お前が俺を見下ろすのも 俺がお前を見上げるのも。 「アーサー、来てくれたの!?」 自分でも柄じゃない事くらい判ってるけど、俺の腰くらいしかない背丈をうんとはしゃがせて、笑うお前は正直可愛い。 「おー、元気にしてたか?」 「してたぞ!!アーサー、早く遊ぼう!!」 初めてできた弟。喧嘩する相手しか居ない俺にとって、こいつだけは守りたいと思える存在。可愛くて、愛おしくて。 「アーサー早く!!」 「おう」 とても大切。 そういえばこの前、嫌な夢をみたんだ。お前が俺から旅立って行く夢。俺、フランシスにも見せた事ないような、顔をぐちゃぐちゃにして泣いてた。 すっげー怖くて、結局どうなったか判らないまま目を覚ましたんだが、何か穴が開いたみたいに、物足りない風が胸を突っ切っていったんだ。 なあ、 お前は何処にも行かないよな?一緒に、居てくれるよな? こんなの、エゴだって判ってる。判ってるけど、俺にはお前が必要なんだ。お前と出会う前、自分がどうやって息を吸ってたか覚えてない。 「アーサー!!お腹空いたぞ!!」 「ん、」 こんな日が永遠に続けば良いのに 「よーし!!何が食べたい!!」 「うーん……、あ!!あの黒いやつ!!」 「………………。…す、スコーンだな!!判った任せろ!!」 「やったー!!」 続く、よな? もう、慣れたよ。 |