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「Japanese!!Throw away arms right now!!」



時は二十世紀真っ只中の猛暑。



「Do you hear it!?」


「The foolishness!!」


「Really!!」



かつてさんさんと注ぎ込んでいた太陽の光は、もう十五年と目にしていない気がする。



そう、あの方に忠誠を誓った日から。



「That is what!?」


「It doesn't understand.」


「That is family dog!!」



遠くで私を嘲笑う声がする。けれどそんなもの関係はない。私はただ、あの方の為に戦うだけだ。



さあ、必ずやお護り致しましょう。否ならばそれは私が尽きる刻。




鳴り止まぬ警報機の音は、もう慣れてしまった。静かな焼け野原にひとつ、我が剣の反射光を落として。




「Shoot it!!」



さあ





「日本!!」




久しぶりに聞いたその声に横を見遣れば。



「日本、止めるんだ。君に勝ち目はない。…降伏してくれ」





やっぱり居たのは敵だった。




「それは私が決める事ではありません。私はただあの方の意志に従うだけ」



「そんなの間違ってる!!君は国の犬じゃない!!君は君の意志を持つべきだ!!」




ああ判らず屋。







「アメリカさん、覚悟。」





「日本!!」





身代わりになれるなら本望だ



あの方の意志が私の意志だ。




 

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