「うっわ何だこれ」 第一声がこれなのは流石に自分でも失礼だと思ってる。でも無理のあるお世辞を言うよりは相手の為になるとも思う。 特にイギリスには。 「うっわとは何だ、うっわとは。それが人に物を作って貰った奴が言う言葉だとでも思ってんのか?髭野郎」 「少なくともお前には思ってる」 そう言い返せば自身がスコーンと言い張る小麦粉の塊を鷲掴みにして、俺の口元に押し付けてきた。 「なっ…これをお兄さんに食べろと言うのかい?」 「そーだよ!!折角作ってやったんだからな!!」 嫌だ嫌だと首を振って逃れようとすれば、可愛い事を言ってくれる。 それでも素直に食べる事はせず更に焦らす。 「それって、俺のため…?」 イギリスは一瞬、何か言い出したという目で俺を見て、すぐに顔を沸騰させてうつむいた。 「ねえ、下向いてちゃ判らないよ」 「……そーだよ」 「え?」 本当ははっきりと聞こえたけれど、イギリスの顔が見たくて。 さあ、君よ、 「っそーだっつってんだよバカ!!」 いただきます。 イギリスが言い終える前に俺はイギリスの手にあったスコーンを口にした。 イギリスの指も少し頂いて。 「な…なななななっ!!!?」 「不味い」 「うがあぁああああッ!!!!」 料理が下手なの?それとも味覚がおかしいの? でもお前の紅茶味の指は絶品だ。 |