詩
□流れ星
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「僕は、いつまで待てばいいのでしょうか」
倒れて眠っている木に座って僕は空を見上げた
「待ってるだけじゃ、ダメなんだよ」
隣でちょこんと座っている白いウサギが答えた
「あれを見て」
ウサギは
僕が見ていた空よりも少し左の空を指差した
「今、星が流れたでしょ?
あの星たちはね、
恋をした人の所へ流れていくの」
「頑張った人へのご褒美に流れていくんだよ」
丸くて小さい両の目が
僕を見つめた
「待ってるだけじゃ、
あの星は僕の下へは流(こ)ないのか…」
一つ・また一つと流れていく星を見ながら
僕は呟いた
「わぁ、今日はたくさん星が流れていくね」
耳をパタパタさせて喜ぶウサギの隣で
僕は眩しそうに空を見上げた
†end