Short*2

□本日晴天お散歩日和
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澄んだスカイブルーが広がる中に、白い雲が所々散らばっている。

春を感じさせるような晴天の下、銀髪の少年が一人校庭を歩いていた。
ちらりと空を見上げてから欠伸を一つ。
銀髪の少年、篠原湊は早く寮の自室に戻ろうと歩むスピードを少しだけ速めた。

平日であるが、今日の授業は午前中のみで終わった。

一応彼は剣道部に属しており、本日も午後から練習があるのだが、
どうにも気分が向かないのか部活には顔を出さない事が多い。

ふと、その時。



「お、湊!ちょうどいい所に!」

「…恵介先輩」



後方から声をかけられ、めんどくさそうに振り返る。

そこにはいつものようにニカッと笑いながら、4年の市原恵介が手を振っていた。
恵介は湊の元に走り寄り、「暇か?」と尋ねる。
彼が隣に並んだ時、僅かに柑橘系の匂いがした。彼が体を動かした後にするスプレーの匂いだ。



「…どちらかといえば暇」

「なら、これから一緒に散歩でも行かねえか?」

「散歩?何でそんな年寄りじみたこと…」

「年寄りじみたことがいい時もあるって。せっかくこんなにいい天気なんだからさ!」



「な?」と笑いかけられては断るのも申し訳ないので湊は彼の言葉に黙って頷いた。

それから他愛もない話をしながら、恵介の気分のままに歩いた。
彼に合わせて湊は相槌を打ちながら歩く。

しばらく歩き続け、とある河川敷まで来たところで恵介は足を止めた。


「ほら、ここ綺麗だろ?」



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