short story

□Anytime
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朝起きたとき。
ピンポンピンポンピンポン!


「獄寺、いっしょに学校行こ!」
「うぜー…ったく毎朝毎朝…」


そう言って俺はいつも玄関を開けて、山本と登校する。


歩いてるとき。


「今日結構寒いのなーっ…あ、手繋いでいい?」
「ばーか!誰がてめぇなんかと繋ぐかっつの、果てろ」
「じゃあ繋がないから、さ」


山本は俺が手を突っ込んでるポケットに手を入れてきた。
こういうときも、舌打ちはするけど手は振り払わない。
あ、でも周りに人がいたら別だけど。


放課後。



「獄寺!遅れてごめんな!」

山本が部活終わるの待っててって言ったから教室でぼんやり空見て、たまに野球部をチラッと見て山本を待っていた。


「待っててくれて、ありがと…」


誰もいない教室、山本がぎゅっとしてきた。


「…離せ、ばか、汗くさい」
「…もーちょっと、だけ…」
「……」


そう言うと山本はさらにぎゅーってして俺の頭に顔を埋めた。
ごくでら、いーにおい、って言ってきた。
ほんのり汗のにおいがする山本の腕の中は、なんだか安心して俺もぎゅーってした。


帰り道。


「今日さ、獄寺んち寄ってってもいい?」
「…来んなよ、なんで俺んち寄る必要あんだよ」
「んー…獄寺ともっといっしょに居たいから?」
「…さっさと帰れよ、ばか」


俺もなんだか、そんな気分だったから断ることはできなかった。


家。

しばらくくだらない話を山本とした。
他にはテレビ見たり。
夕方の番組は、つまらないものばかりだったけど。


「あ、ちょっとシャワー借りていい?汗くさいかもだし」
「勝手に浴びろ」
「さんきゅ」
「服はタンスから適当に選べ」
「ん、わかった」


しばらく経って、山本が戻ってきた。


「獄寺、もう夜遅いし泊まっていい?」
「…だから早く帰れって言っただろ」
「な、だめ?」
「………べつに…」


小声で言ったのに山本には聞こえたのか、ニコッと嬉しそうな顔をして親父さんに電話をかけた。


「なーごくでらぁー」
「…んだよ」


電話が終わるとまた話しかけてくる。
今度は何したいんだ、コイツ。


「ちゅー…してもいい?」
「は!?…んむっ」


いつもこんなにべったりしてくるけど。
いつもそれを拒まない俺は。


山本にそうされるのが、好き、って思っているから、だと思う。





(それほど俺は、お前に夢中なんだ)






end
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みるく様相互リクで、『いつもべったりな山本と、嫌がるけど実はそうされるのが嬉しい獄寺』です。
みるく様、ご要望と違うものでしたら書き直しさせて頂きます!
リクエストありがとうございました。

 

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