大活劇!雪姫忍法帖だってばよ!
□第10話
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「「ひぃやああああぁ!」」
それは、路線の上を疾走する鋼鉄の機関車と…
それに追いかけられ、必死に走っているユウリの姿だった。
ナル「ユウリちゃん!?」
ユキ「嘘でしょ…!」
機関車は、地響きとともに恐ろしい速度で一気に二人に迫ってくる。
ナルトはすぐさまもと来た方向に駆け出した。
「ナルト!?なんでこんなところに!」
ナル「ユウリちゃんこそ!どこから来たんだってばよ、このキシャってやつ!」
立ち止まる余裕なんてなく、同じように疾走しながら、二人は言葉を交わす。
「あたしにも分かんないんだよ!この洞窟を歩いてたら、いきなり…!」
その間にも、機関車は進路上にあるつららや氷の柱を吹き飛ばし、容赦なくユウリたちの背後に肉迫する。
ユキ「追いつかれるわ!」
ナル「追いつかれねぇ!」
雪絵はナルトを見下ろしながら、大声で喚く。
ユキ「絶対無理よ!」
はっきりと言ったその言葉に、ユウリはきっと目を強張らせた。
「無理じゃない!」
ユキ「…!何でよ、何でそう言えるのよ!もう終わりなの──」
「あたしを信じて!」
ユキ「なっ…!」
その時、ふとユウリの姿が、胸の底にある思い出の中にいた、千春の姿にぼんやりと重なったように見えた。
ユキ「千春…?」
思わず口にしてしまった言葉だったが、そんな声は迫りくる大きな汽車の轟音にかき消されてゆく。
「ナルト!出口まで一気に走って!」
ナル「ユウリちゃん?」
「いいから早く!」
ナル「お、おう!」
普段はめったに耳にしないユウリの怒声を聞いて、おどけたナルトだったが、すぐに目付きを変えた。