大活劇!雪姫忍法帖だってばよ!
□第10話
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スケ「はい、ここでトイレ休憩っスー!」
その声に、バスから降りたスタッフたちがくつろぎ始めた。
ユウリたちは助監督の言葉を耳にはさみながら、洞窟の入り口を見上げた。
ナル「でっけーなぁ」
「ここで撮影するの?」
スケ「いえ、この洞窟を抜けた先っス。そこのロケが終われば、ようやく風花の里っスよ」
助監督の言葉にうなずいた二人は、すぐそばで会話をしているカカシと三太夫に気がついた。
サン「この洞窟の先に、わが同志たちの潜む集落があります。ここでの撮影のあとに合流する手はずになっています」
三太夫は洞窟を見上げながら、懐かしげな表情になった。
サン「みな、小雪姫のご帰還を一日千秋の思いでお待ち申し上げておりました。ですが、それももうすぐかないまする」
それからしばらく三太夫は洞窟を見上げていたが、カカシとともにきびすを返してバスへと戻っていった。
ユウリたちは、その背中をじっと見送っていた。
ナル「おっちゃん、すげー嬉しそうだってばよ」
「そうだね…」
ナルトの言葉を受けて返事をするも、ユウリは遠くを見ていた。
(でも、当の雪絵さんは風花の姫君に戻るつもりはなさそうだね…)
──お姉ちゃんは、昔雪絵さんと友達だった。
さっきの話しを聞く限り、雪絵さんはお姉ちゃんと父親だけには心を許していた。
でも、二人共死んでしまった。
今、雪絵さんはひとりぼっちなんだ。
少し前のあたしと同じように…
だから今度は、あたしが雪絵さんをなんとかしなくちゃ──。