大活劇!雪姫忍法帖だってばよ!
□第5話
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サン「黙らっしゃい!」
どちらかといえば控えめだった三太夫が見せた突然の怒りに、その場の全員が目を見開いた。
雪絵もまたはっとなったが、すぐに逃げるように目をそらす。
サン「ここで降りてしまったら、もうこの業界で仕事などできませんぞ!」
ユキ「いいじゃない、別に」
サン「雪絵さま…!」
三太夫の声は懇願するかのようだった。
カカ「仕方ないですね」
ユキ「え?」
そう言って前に出たのはカカシだった。
近付いてくるカカシの気配に思わず振り返った雪絵は、カカシが左目をかくしていた額当てを持ち上げるのを見た。
額当ての下から現れた瞳に、三つの巴の紋様に似た印を目にしたと思った瞬間、雪絵の記憶はふっつりと途絶えたのだった。
カカ「ふぅ…」
「写輪眼…やっぱすごいわ…」
カカシの一息に、ユウリは関心するように呟いたのだった。
──その頃、酒場の入り口にはたたずむ人影があった。
それは、先程立ち去ったかに思われた、件の男だった。
彼は、カカシの腕の中に雪絵がくずおれるのを見届けると、なにげない足取りでその場を離れていった。