大活劇!雪姫忍法帖だってばよ!
□第5話
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ユキ「女優さま?エライ?」
酔眼でナルトを見返しながら、雪絵は肩を震わせて笑い始めた。
ナル「な、なんだってばよ」
ユキ「ばっかみたい。女優なんて最低の仕事…最低の人間の仕事よ」
そう言うと、雪絵は満たしたぐい飲みをあおった。
ユキ「他人の書いたシナリオ通りに、いもしない人間の人生を生きるフリをして…ふふ…ほんとバカみたい」
ナル「なっ…お前──」
ナルトが言葉を言いかけた時、今まで黙っていたユウリが不意に口を開いて言った。
「そんな女優をやっているあなたには…何か理由があるんじゃないんですか?」
ユウリの真剣な言葉を背中で聞いた雪絵は、かすかに目を見開いた。
しかしすぐに冷酷な表情に戻り、雪絵はやにわに振り返ると、ユウリをきっと睨み付けた。
ユキ「理由もなにも、そんなのないわ!うるさいからとっとと消えて!目障りなんだよ!」
サン「雪絵さま!」
突然現れたのは三太夫だった。
ユウリたちの後を追ってきた三太夫は、カカシたちを引き連れるようにして、酒場に飛び込んできたのだった。
サン「雪の国行きの船がもうじき出航します!さぁ、急ぎませんと」
雪絵は、三太夫から目をそむけるようにカウンターに向かう。
そして、酒瓶を傾けてぐい飲みに酒を満たしながら言った。
ユキ「もう…いいのよ」
サン「え?」
ユキ「風雲姫は降りるわ」
そんな雪絵の言葉に、サクラが叫んだ。
サク「そんな!」
サン「何を言っているのですか!」
詰め寄る三太夫に、雪絵は力のない笑いを返した。
ユキ「いいじゃないの。よくあるじゃない、ほら、続編になったら主演俳優が代わったり、監督が代わったりさ」